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「これもお願いね」二人きりの経理部で仕事を全振りしてきた先輩。絶望の日々から一転、見事に形勢をひっくり返した瞬間

「これもお願いね」二人きりの経理部で仕事を全振りしてきた先輩。絶望の日々から一転、見事に形勢をひっくり返した瞬間
豹変した先輩
私が配属されたのは、会社の経理部門。
そこは、私と60代の先輩女性の二人だけで回している小さな部署でした。
「困ったことがあったら、遠慮なく何でも言ってね」
入社したばかりの頃、先輩はとても親切で、私も胸を撫で下ろしていました。この温かい環境がすぐに地獄に変わるとは、知る由もありません。
たった1ヶ月が経過した頃、先輩の態度は手のひらを返したように冷たくなりました。
「これもお願いね。あ、ついでにそっちもやっといて」
私のデスクには、処理しきれないほどの書類が次々と積まれていきます。教わっていない部分を尋ねようとすると、鼻で笑いながらこう言い放つのです。
「うそ、こんな簡単なことも一人でできないわけ?」
見下すような言葉のトゲに、最初は「たまたま虫の居所が悪いだけだろう」と自分に言い聞かせていました。
しかし半年が過ぎ、私が業務の流れを掴み始めると、事態はさらに悪化しました。
蓋を開けてみれば、先輩が担当しているのは「給与計算」だけ。それ以外の膨大な経理実務は、いつの間にかすべて私の背中に重くのしかかっていたのです。
さらに厄介なのは、先輩の給与計算が間違いだらけだったこと。
「今月の振り込み額、計算が合ってないんですけど」
「大変失礼いたしました!至急お調べして対応します!」
他部署からのクレーム電話を受け、平謝りするのはいつも私。当の先輩は知らん顔で、謝罪の一言もありません。
それなのに、私が些細なミスをしようものなら烈火のごとく怒り出します。
「ちょっとあんた!この前教えたばかりでしょ、何回言わせるの!」
なぜ他人の尻拭いばかりさせられ、理不尽に怒鳴られなければならないのか。我慢の限界を迎えた私は、翌日から業務連絡以外の会話を完全に絶ちました。
逆襲のひとこと
決定的な溝が生まれたのは、とある月初のことでした。
社内でインフルエンザが爆発的に流行し、各部署で欠勤者が続出。私は自分の山積みの業務に加え、休んだ社員のカバーまで押し付けられ、完全にパンク状態に陥っていました。
助けを求めて視線をさまよわせると、自席に先輩の姿がありません。なんと、手伝いなど不要なはずの他部署に入り浸り、ヘラヘラと笑いながら雑談に花を咲かせていたのです。
私は藁にもすがる思いで、先輩の背中に声をかけました。
「すみません、どうしても今日中に終わらなくて。少しだけサポートしてもらえませんか?」
しかし先輩は、こちらを振り返ることすらなく冷たく言い放ちました。
「ごめんねー、私はいま手一杯だから無理!」
その瞬間、張り詰めていた糸が切れ、悔しさと情けなさでポロポロと涙がこぼれ落ちました。
しかし、この日の涙が私を強くしました。
「絶対に文句を言わせない実力をつけてやる」と意識を完全に切り替え、業務の効率化と正確性を極めるために死に物狂いで勉強しました。
キーボードを叩く指の動きからツールの活用まで、あらゆる無駄を削ぎ落としていった結果、気づけば私は、先輩の何倍ものスピードでミスのない仕事をこなせるようになっていたのです。
ある日のこと。すっかり立場が弱くなり、私の顔色を窺うようになった先輩が、おどおどしながら近づいてきました。
「ねえ、ここの処理ってどうやるんだっけ?ちょっと教えてくれない?」
私はモニターから一切視線を外さず、冷たい声でピシャリと言い返しました。
「それくらい、ご自身でお調べになってください」
ずっと耐え忍んできた屈辱が浄化されたような、最高に胸がすく瞬間でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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