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「交通費って全額支給ですよね?」と面接で執拗に聞いてくる男。入社後、男が明かした事実に絶句【短編小説】

「交通費って全額支給ですよね?」と面接で執拗に聞いてくる男。入社後、男が明かした事実に絶句【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
交通費を何度も聞いてくる新人
中堅企業の採用担当として働いている私。
日々、多くの方と面接をしていますが、今でも忘れられない「困った新人」の話をさせてください。
その男性は、面接の時から少し変わっていました。
経歴やスキルは申し分ないのですが、とにかく一つのことに執着していたのです。
「交通費って、本当に全額支給なんですよね?」
「はい、社内規定に基づき全額お出ししますよ」
私がそう答えても、彼は身を乗り出すようにして何度も確認してきました。
正直、少ししつこいなと思いましたが、家が遠いのかな、あるいは生活が苦しくて節約したいのかな、程度にしか考えていませんでした。
彼の熱意に押される形で、無事に採用が決まりました。
そして彼が入社する当日。
私は提出された書類を見て、自分の目を疑いました。
履歴書に書いてあった住所とは全く別の、かなり遠方の住所が記載されていたのです。
「あの、履歴書の時と住所が違いますよね?引っ越されたんですか?」
私が尋ねると、彼は悪びれる様子もなく、満面の笑みで答えました。
都合の良い解釈
「そうですよ!内定が出たら、あっちの景色のいいマンションに住むって決めてたんです。交通費、全額出るんですよね?」
なんと彼は、採用が決まった瞬間に、わざわざ会社から遠く離れた場所へ引っ越していたのです。
「遠ければ遠いほど、会社から支払われる金額も増えるじゃないですか。実質、タダで旅行気分を味わいながら通勤できるなんて最高ですよ」
彼の言葉に、私は引きました。
彼は「全額支給」という言葉を自分に都合よく解釈し、会社のお金を利用して遠距離通勤を楽しもうとしていたのです。
しかし、世の中そんなに甘くはありません。
「……残念ですが、うちの規定を読み返してください」
私は彼に、入社書類と一緒に渡した社内規定を差し出しました。
そこには「職場から何キロ圏内という指定があり、また、規定外の距離については超過分を自己負担とする」という一文がはっきりと記されていたのです。
彼の顔からは、みるみる血の気が引いていきました。
結局、彼は毎月数万円もの交通費を自腹で払いながら通勤することになったのです。
「全額出るって言ったじゃないですか……」と肩を落とす彼。
ルールを悪用しようとする前に、まずは誠実に詳細を確認すべきだと、私自身も改めて痛感した出来事でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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