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「10着お願い!まだいいでしょ」と閉店間際に来店し試着を繰り返す女→店員の行動で態度が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
閉店間際に来た客
時計の針は午後8時55分。
アパレルショップの店員として働く私は、閉店の準備をしていました。
しかし、その静寂を打ち破るように、一人の女性客が息を切らして店内に飛び込んできました。
彼女は鏡を見ることもなく、次々と棚から服を掴み取ります。
その数、なんと10着。
「これ、全部試着します!まだ閉店まで時間あるでしょ?」 そう言い放つと、彼女は私の返事も待たずに試着室へ向かおうとします。
「恐れ入ります、あと5分で閉店となりますが……」と丁寧に伝えましたが、「すぐ終わるから大丈夫よ!」と、彼女は私の制止を振り切ってカーテンの向こうへ消えてしまいました。
そして午後9時。
しかし、彼女が試着室から出てくる気配は一向にありません。
私たちスタッフは、レジ締めも店内の清掃も、できる限りの片付けをすべて終わらせました。
残った仕事は、彼女が試着を終えるのを待つことだけです。
無言の圧
私を含む3人の店員は、示し合わせたわけでもないのに、彼女が入っている試着室のすぐ前に一列に並びました。
会話は一切ありません。
ただ無言で、背筋を伸ばして立ち尽くします。
試着室の中からは、ハンガーがぶつかり合う音や、服を脱ぎ着する衣擦れの音が響いています。
外の静寂が、その音をより際立たせていました。
数分後、カーテンがそっと開きました。
彼女が次の服に手を伸ばそうとした瞬間、目の前に並ぶ3人の店員の姿が視界に入ったのです。
感情を消し、じっと出口を見つめる私たちの「無言の圧」に、彼女は息を呑みました。
「あ、あの……すみません。やっぱり、今日はもういいです」
それまでの強気な態度は一変し、彼女は顔を赤くして、10着の服を抱えたまま慌てて出てきました。
結局、彼女は一着も購入せずに逃げるように店を後にしました。
閉店間際の駆け込みは困りものですが、時には言葉以上に「空気」で伝えることも必要なのだと実感した出来事でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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