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「遅い時間までお疲れ!みんな食べて!」と差し入れを配る上司。だが、続く一言に退職を決意【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
差し入れを配る上司
時計の針は深夜22時を過ぎていました。
オフィスの空気は重く、連日のサービス残業で全員の目は虚ろ。
キーボードを叩く音だけが、虚しく室内に響いていました。
そんな時、部長が大きな紙袋を抱えて、意気揚々と入ってきたのです。
「みんな、遅くまでお疲れ様!有名店の高級な大福を買ってきたよ。これを食べて、もうひと踏ん張り頑張ろうじゃないか!」
差し出されたのは、一つ数百円はするであろう立派な大福。
甘い香りに一瞬だけ心が緩みましたが、直後に放たれた部長の言葉に、私は凍りつきました。
「これ、結構な値段したんだよ。だからさ、今日の残業代はこれで『チャラ』ってことでいいよね?美味しいものを食べて元気が出れば、お金よりも価値があるだろ?」
部長は冗談ではなく、本気で「いいことをした」という顔で笑っていました。
我慢できずに放った言葉
私たちの貴重な時間と労働、そして生活を、たった一つのお菓子で買い叩こうとしたのです。そのあまりの無神経さに、私の中で何かがぷつりと切れました。
私は大福を受け取らず、部長の目を真っ直ぐに見つめて言いました。
「お菓子で納得できるほど、私たちの仕事は安くありません。労働の対価を軽視する方とは、これ以上一緒に働けません。明日の朝、デスクに退職願を置いておきます」
静まり返るオフィスで、部長は顔を真っ赤にして立ち尽くしていました。
翌朝、私は宣言通りに書類を提出しました。
驚いたことに、他のメンバーも次々と退職の意思を示したそうです。
あの大福の味は分かりませんが、辞めると決めた瞬間の空気は、どんな高級スイーツよりも甘く、晴れやかでした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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