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「本当に猫は飼ってません!」と否定する住人。だが、靴の裏に違和感が…見てみると嘘が発覚【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
ペットを飼っていると疑われてる住人
マンション管理会社に勤めて数年になる私ですが、この仕事をしていると、時折「探偵」のような役回りを演じることがあります。
先日も、ペット禁止の物件にお住まいの方から「隣の部屋から猫の鳴き声がする」という相談を受け、確認に向かいました。
チャイムを鳴らすと、出てきた住人の方はどこか落ち着かない様子でした。
「猫を飼っているというお話がありますが……」と私が切り出すと、相手は食い気味に強い口調で否定しました。
「本当に猫なんて飼っていません!そんな失礼な疑いをかけられるなんて、心外です。鳴き声だって、テレビの音か何かの聞き間違いじゃないですか?」
その方は怒鳴るわけではなく、淡々と、けれど頑なに拒否を続けます。
玄関先からはペット特有の匂いもしませんし、部屋の奥から物音がすることもありません。私の思い過ごしだったのかな、と引き下がろうとしたその時でした。
「確認のために、こちらにサインだけいただけますか?」
私が一歩、玄関のたたきに足を踏み入れた瞬間です。
感じた違和感
右足の裏に「コリッ」とした、小さな石を踏んだような違和感を覚えました。
違和感を拭いきれず、失礼を承知で靴の裏を覗き込んでみました。
そこには、溝にしっかりと挟まった「真っ白な粒」がありました。
それは公園の砂利でも、ただのゴミでもありません。
猫を飼っている人なら誰もが目にする、消臭効果の高い「猫砂」の粒だったのです。
私が黙って靴の裏を見つめていると、住人の方もその視線に気づいたようでした。
先ほどまでの強気な態度はどこへやら、顔色がサッと青ざめていくのが分かります。
すると、まるでタイミングを合わせたかのように、クローゼットの奥から「ミャー」と、可愛らしい鳴き声が響き渡りました。
「これは……その……」
言い訳を探して泳ぐ視線。
靴の裏に付着していた、たった一粒の証拠が、積み上げられた嘘をあっけなく崩してしまいました。
結局、その方は内緒で保護猫を飼っていたことを白状しました。
ルールは守らなければなりませんが、震える手で猫を抱き上げる姿を見ると、私も複雑な心境になります。後日、その方は話し合いの結果、ペット可の物件へ引っ越すことになりました。
嘘はいつかバレるものですが、まさか自分の靴の裏が真実を暴くことになるとは、思いもしない出来事でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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