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「駐車場でたむろさせないで!」と電話でクレームを入れる主婦。その後、自宅に警察が?実は…【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
クレームの電話
「またあの車、止まってる……」 家の目の前にあるスーパーの駐車場。
夜中になると、きまって一台の派手な軽自動車がやってきて、何時間も居座るのです。
大音量で音楽を流し、スマホをいじりながらタバコをくゆらす影。
私はその姿を見るたびに、不快感で胸がいっぱいになりました。
「住宅街なんだから、少しは遠慮しなさいよ」 私は何度もスーパーに電話を入れました。
「駐車場でたむろしている人がいて怖い」
「営業妨害じゃないの?」と、語気を強めて訴え続けました。
しかし、店側は「確認します」と繰り返すばかり。
業を煮やした私は、ついに店長に詰め寄りました。
「次にあの車が来たら、容赦なく警察を呼んでください。私もすぐに通報しますから!」
それから数日後の夜、再びあの車が現れました。
私は「今度こそ逃さない」と、すぐにスーパーへ電話をかけ、警察へも連絡するよう強く促しました。
ほどなくして、窓の外には青白いパトライトの光が。駐車場に数人の警察官が駆けつけ、あの車の主を囲んでいるのが見えました。
「ざまあみろ」と、私は勝利の余韻に浸りながら眠りについたのです。
騒音の主は
翌朝、インターホンが激しく鳴りました。
玄関を開けると、そこには疲れ切った表情の警察官と、うなだれた一人の若者が立っていました。
「……お母さん、ごめん」 聞き覚えのある声に耳を疑いました。
警察官に連行されていたのは、県外の大学へ通っているはずの、私の息子だったのです。
「実は、昨日通報のあった車両に乗っていたのは、あなたの息子さんでした。遊んで家賃を払えなくなり、家を追い出されて、実家に帰ろうとしたのですが、気まずくなったみたいで…車中泊をしていたと、その間、スーパーの無料Wi-Fiを使って動画を見ていたところを、不審者として現行犯で職務質問を受けました」
警察官の説明に、私は言葉を失いました。
私が「不審者だ、通報しろ」と追い詰めていた相手は、他でもない、愛する息子だったのです。
「店側も、これまでの度重なるクレームを受けて、かなり警戒していたようです」 警察官の言葉が突き刺さります。
私が振りかざした正義感は、巡り巡って自分の息子を犯罪者扱いし、警察沙汰にするという最悪の結果を招いてしまいました。自分の思い込みがどれほど恐ろしいものか。情けなさと申し訳なさで、私はその場に泣き崩れるしかありませんでした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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