Share
「この壺を買えば家運が上がる」と勧める親友。私が壺を割った瞬間に現れた、中身の正体とは【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
親友からの提案
中学時代からの大親友だった彼女が、ある日突然、大きな桐箱を抱えて我が家にやってきました。
彼女はここ数ヶ月、怪しげな開運セミナーに通い始めていたようで、会うたびに「浄化」や「波動」といった話ばかりするようになっていました。
彼女は箱から地味な茶色の壺を取り出すと、真剣な面持ちで語り始めました。
「これね、普通に買えば百万円はする特別な壺なの。先生に頼み込んで、特別にあなたへ五十万円で譲ってもらえることになったわ。リビングに置くだけで、家運が劇的に上がるのよ」 私は耳を疑いました。
どんなに親しくても、そんな根拠のないものに大金を払うわけにはいきません。私が丁寧に断ると、彼女の態度は一変しました。
「どうして分かってくれないの! あなたの幸せを思って言っているのに!」 彼女は叫びながら、無理やり私の手に壺を押し付けようとしてきました。
揉み合いになり、手が滑ったその瞬間、壺はフローリングの床に真っ逆さまに落ちました。
ガシャーン! 激しい音とともに、壺は粉々に砕け散りました。
彼女は「なんてことを……!」と絶叫し、その場に崩れ落ちました。
貼られていたのは
私は真っ青になり、破片を片付けようと手を伸ばしましたが、ある破片を見て指が止まりました。
それは、壺の底にあたる部分の「内側」でした。
そこには、剥がし忘れたと思われる小さな銀色のシールが貼られていたのです。
そこには、駅前にある有名な三百円均一ショップのロゴマークと、「インテリアポット・税抜三〇〇円」という文字がはっきりと印字されていました。
「……これ、あそこのお店の商品だよね?」 私が震える声で問いかけると、彼女は顔を真っ赤にし、何も言わずに部屋を飛び出していきました。
家運を上げるどころか、数百円の安物を五十万円で売りつけ、親友を騙そうとしていた彼女。
割れた破片を眺めながら、私は涙が止まりませんでした。壊れたのは壺ではなく、長年かけて築いてきた私たちの信頼関係だったのです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
Feature
特集記事

