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「先に場所とってたの!」運動会の場所取りで騒ぐ親。だが、先生が突きつけた事実に態度が一変【短編小説】

先に場所とってたの運動会の場所取りで騒ぐ親だが先生が突きつけた事実に態度が一変短編小説

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

マナーの悪い保護者

爽やかな秋晴れの下、今日は待ちに待った息子の運動会です。
「一番前で応援してあげたい!」
そんな親心から、私と夫は開門の1時間前から列に並んでいました。
もちろん、学校のルールを守って当日並びです。

しかし、午前7時の開門と同時に、グラウンドの最前列で怒号が飛び交いました。
「おい! 俺たちのシートがないぞ! 誰が剥がしたんだ!先に場所とってたのに!」 声の主は、派手なブランドもののジャージを着たお父さん。
その横で奥さんも仁王立ちしています。
「ひどい! 昨日の夜、パパが暗い中頑張ってここに敷いたのに!」

その言葉に、周りの保護者はざわつきました。
「え、昨日の夜?」
「それってルール違反じゃ……」という白い目が向けられますが、二人は気付く様子もありません。
「学校の管理はどうなってるんだ! 責任者呼べ!」 お父さんが詰め寄った相手は、今年赴任してきたばかりの若い体育の先生でした。
優しそうな先生だし、言い負かされてしまうかも……と私がハラハラしながら見ていた、その時です。

先生が告げた事実

先生はニコリともせず、毅然とした態度で口を開きました。
「あぁ、その青い大きなシートなら、職員室の裏にありますよ」
「はあ? なんで勝手に動かすんだよ! 泥棒扱いか!」
いきり立つ父親に、先生は冷静に一枚のプリントを突きつけました。
それは、全家庭に配られた運動会のお知らせです。

「ここの注意事項、読まれましたか?『公平を期すため、前日からの場所取りは一切禁止。発見次第、学校側で撤去・処分いたします』と太字で書いてありますよね」 さらに先生は追撃します。
「昨晩の見回りで回収しました。ルール違反の『ゴミ』として処分する予定でしたが、お持ち帰りになりますか? 今ならまだ回収車には間に合いますよ」

その一言で、夫婦の顔色は一変。怒りで赤かった顔が、みるみるうちに恥ずかしさで真っ青に変わっていきました。
「い、いえ……結構です……」 蚊の鳴くような声でそう言うと、二人は逃げるように校庭の隅っこへ。
その小さくなった背中に、周囲からは無言の拍手が送られているようでした。

ルールを守って楽しんでこそ、子供たちの手本になれる。
そんな当たり前のことを再確認できた、スカッとする朝の出来事でした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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