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「お前の考えは間違えてる」と何でも否定する夫。我慢できずに反論すると、夫から呆れた一言が【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
何でも否定する夫
結婚当初、穏やかで頼りがいがあると思っていた夫。
しかし、そのメッキが剥がれるのに時間はかかりませんでした。
ここ数年、夫は私の言葉をことごとく否定するようになっています。
私が夕食の献立を提案すれば「栄養バランスの視点が欠けている」。
週末の予定を話せば「効率が悪すぎる。時間の無駄だ」。
何を言っても「お前の考えは間違っている」「浅はかだ」と、上から目線で切り捨てられる毎日。
私は家庭の平穏を守るため、「ごめんなさい、私が勉強不足だったわ」と謝り、自分を殺して生活していました。
ある週末の夜、リビングで二人並んでテレビを見ていたときのことです。
話題になっていた教育問題のニュースが流れ、私はついポツリと感想を漏らしました。
「こういう時は、学校側も大変だよね。親御さんの気持ちも分かるけど……」
その瞬間、夫がわざとらしく大きなため息をつき、冷ややかな視線を私に向けました。
「あのさ、前も言ったけど、お前のそういう感情論がダメなんだよ。もっと客観的なデータに基づいた思考ができないわけ?」
いつもなら黙って嵐が過ぎるのを待つ場面です。
けれど、その日はなぜか、私の中で張り詰めていた糸がプツンと音を立てて切れました。
「どうしていつもそうやって否定ばかりするの? 私だって一生懸命考えて話してる。夫婦なのに、なんで対等に会話しようとしてくれないのよ!」
夫の考えの正体
初めて声を荒げた私に、夫は一瞬驚いたような顔をしました。
しかし、すぐにニヤリと不気味な笑みを浮かべ、スマホを取り出して画面を操作し始めたのです。
そして、信じられない一言を放ちました。
「あのさ、俺一人の意見だと思って反抗してるの? 実は俺、お前の発言や行動、全部その都度お袋にLINEで報告して相談してるんだよね。で、お袋も毎回言ってるよ。『あちゃー、〇〇ちゃん、また的外れなこと言ってるの? それは貴方が正してあげなきゃダメね』って」
夫は勝ち誇ったようにスマホの画面を私に見せつけました。
そこには、私の言動に対する義母からの辛辣なダメ出しのメッセージが、何スクロールにもわたって並んでいたのです。
「俺とお袋、二人が『間違ってる』って判断してるんだ。これでもまだ、自分が正しいって言い張るつもり?」
怒りを通り越して、全身の血が引いていくのが分かりました。
この人は、目の前の私ではなく、スマホの向こうの母親と結婚生活を送っていたのです。
今まで私が必死に取り繕ってきた夫婦の時間は、全て筒抜けで、親子による嘲笑のネタにされていただけでした。
私は反論する気力すら失い、その場に崩れ落ちました。
この瞬間、私の中で夫への愛情はおろか、人間としての関心さえも完全に消滅したのです。
その後、私はすぐに離婚手続きをして、夫の呪縛から逃れました。
次からはマザコン夫とは出会わないように気をつけたいです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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