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「新人は始業1時間前に来なさい!」と強要するお局。だが、新人の行動を見てお局の態度が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「新人はタダ働きが当たり前」という謎ルール
私が中途採用で入社した会社には、勤続20年のお局様がいました。
彼女はマイルールを押し付けることで有名で、入社初日に私を呼び出し、厳しい口調でこう言いました。
「いい? この会社では、新人は始業時間の1時間前に来て、掃除とお茶出しをするのが常識なの。もちろん、タイムカードを切るのは定時になってからよ。『修行』なんだから、給料が出ると思わないでね」
いわゆる、サービス早出の強要です。
今の時代にそんなことがまかり通るのかと驚きましたが、逆らって目をつけられるのも面倒です。
私は「わかりました」と笑顔で答え、翌日から言いつけ通りにする決意をしました。
ただし、彼女が望む形ではなく、会社として「正しい形」で。
笑顔で提出した「残業申請書」
翌朝、私は言われた通り1時間前に出社しました。
そして、オフィスの入口で「ピッ!」と高らかにタイムカードを打刻しました。
さらに、自分のデスクに着くとすぐに、部署全員(もちろん部長含む)が入っているメーリングリスト宛に、一通のメールを送信しました。
件名:【業務報告】早朝出勤について
本文:『お疲れ様です。〇〇先輩のご指導により、本日から毎朝1時間の掃除とお茶出し業務を行います。つきましては、業務命令としての早出残業申請を提出いたします。新人のために教育の機会をいただき、ありがとうございます!』
メール送信から数分後、お局様が出社してきました。
「あら、ちゃんと来てるわね。……って、あなた今パソコンで何してるの? タイムカードは?」
「打刻しました! ついでに部長にも、先輩の熱心な指導のおかげで早出していると報告メールを送っておきました!」
と満面の笑みで答えた瞬間、奥の社長室から部長が飛び出してきました。
「おい〇〇くん(お局様)! 新人にサービス残業を強要したのか!? 今のご時世、労基に入られたらどうするんだ!」
お局様は顔面蒼白になり、「い、いえ、これは……」とパクパク口を動かすだけ。
「えっ、先輩が『絶対に来なさい』って命令しましたよね?」
私が追撃すると、部長の雷が落ちました。
その日以来、お局様は私に
「定時ギリギリに来ていいから……余計なことはしないで」
と小声で言うようになりました。
悪い伝統は、誰かが正しく断ち切らないといけませんね。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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