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「奢りだと思ってた」と会計時に財布を出さない女。しかし、私の一言をうけ態度が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
勝手にグレードアップされたランチコース
私はメーカーで営業職として働いています。
ある日、専業主婦をしている大学時代の友人から連絡があり、久しぶりにランチをすることになりました。
「たまには美味しいものが食べたい!夫に怒られるから内緒でね!」
という彼女のリクエストで、ホテルのレストランへ。
彼女は席に着くなり、私に相談もなく一番高い5,000円のスペシャルランチコースを二人分注文してしまいました。
「えっ、そんなに?」
と驚く私に、
「大丈夫、たまの贅沢なんだから!」
と彼女は悪びれる様子もありません。
食事中も、私の独身生活への皮肉や、自分の家事がいかに大変かという愚痴ばかりが続きました。
「え、奢りじゃないの?」
デザートを食べてる最中に、店員さんが伝票を持ってきました。
合計で1万円を超えています。私は財布を取り出し、
「じゃあ、別々でだそうか」
と声をかけました。
すると、彼女は財布を出す素振りも見せず、きょとんとした顔でこう言ったのです。
「え? 今日は奢りだと思ってた」
私が絶句していると、彼女は畳みかけます。
「だって、独身でバリバリ稼いでるんでしょ? これくらい経費で落とせばいいじゃない。主婦にお金出させるなんてケチくさいこと言わないでよ」
勝手に高いコースを頼んでおいてこの言い草。
私は呆れて言葉も出ませんでしたが、ここで言い争うのも大人げないので、ある提案をすることにしました。
夫への「お礼連絡」が効果てきめん
私はにっこりと笑って言いました。
「わかったわ。じゃあ、私が全額払っておくね」
彼女は「そうでなくちゃ!」と勝ち誇った顔をします。
私は財布を開きながら、スマホを取り出し、あくまで事務的な口調で続けました。
「その代わり、旦那さんに『今日は奥様と豪華なランチをご馳走したので、楽しかったです』って、料理の写真付きでお礼のLINEを送っておくね。彼とは大学の同期だし、奢ったことを黙ってるのも悪いから」
その瞬間、彼女の顔色がサッと青ざめました。
「や、やめて! 旦那には言わないで!」
彼女は慌ててバッグをひっくり返し、しわくちゃの千円札と小銭をかき集め、自分の分をきっちりテーブルに置きました。
「やっぱり自分の分は自分で払うのが常識だよね……」
私がそう言うと、彼女は小さくなって頷きました。
友人関係はお金で買えませんが、お金で切れる縁はあるのだと学んだ出来事です。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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