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「休憩時間も電話に出ろ!」と無茶を言うお局。だが、新卒のある行動に黙り込んだワケ。実は【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
電話番を強要するお局様
私の勤める事務機器メーカーの営業所には、誰もが恐れるお局様がいます。勤続二十年の彼女の口癖は「社会人としての自覚」。特に私たちを苦しめていたのが、彼女独自の理不尽な「昼休みルール」でした。
「ちょっと、電話鳴ってるわよ! 若い子が率先して取りなさい!」
正午を過ぎてお弁当を広げた瞬間でも、彼女はお構いなしです。
「休憩時間であっても、会社にいる以上は仕事をするのが常識。電話を無視するなんて給料泥棒よ」というのが彼女の持論。
私たちは伸びきったカップ麺をすすりながら、いつ鳴るかわからない電話のベルに怯える毎日でした。
「休憩中くらい、完全に休ませてほしい…」そう思っても、お局様の剣幕と職場の空気に押され、誰も言い出せなかったのです。
そんな重苦しい職場に、この春、一人の新卒社員が入ってきました。いつもニコニコしている穏やかな男性で、メモを欠かさない真面目な彼を、お局様も「素直でいいわね」と気に入っている様子でした。
新人の純粋すぎる質問
ある日の昼休み、事件は起きました。電話が鳴り響くと、お局様が「ほら、新人くん!休憩時間も電話に出ろ!」と叫びました。
彼は嫌な顔ひとつせず「はい!」と受話器を取り、見事な敬語で対応を終えたのです。
「やればできるじゃない。これからは毎日頼むわね」
お局様が満足げに頷いたその時、彼は手帳を取り出し、満面の笑みで尋ねました。
「ご指導ありがとうございます! ところで、今の対応で休憩が五分潰れましたよね。これは五分間の残業申請を出せばいいですか?どう処理しましょうか!?」
フロアが一瞬で静まり返りました。嫌味など微塵も感じさせない、純粋な業務確認としての質問です。
「えっ、まさかウチの会社、違法なタダ働きを新人に強制しませんよね?」
彼の無垢な追撃に、お局様は顔を真っ赤にして口をパクパクさせています。周りの社員が必死に笑いをこらえる中、騒ぎを聞きつけた部長が飛んできて、「今後は昼休み中は留守番電話設定にする」と即決しました。
それ以来、私たちの昼休みには真の平穏が訪れました。悪気のない正論と笑顔でお局様を黙らせた彼こそが、職場の救世主です。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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