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「タイムカード、押しといたぞ」と勝手に退勤処理する上司。だが、私のある行動に顔面蒼白に【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「残業代なんて出せるか」勝手に退勤処理をするブラック上司
私が以前勤めていた会社には、経費削減に命をかけているケチな部長がいました。
「定時で帰れ」と言うなら良い上司なのですが、彼の場合は「仕事は終わらせろ、でも残業代は払わない」という典型的なブラック思考。
ある繁忙期の夜、21時を回っても私が残って資料を作っていると、部長が背後から声をかけてきました。
「おい、まだやってるのか。……まあいい、感謝しろよ。今日のタイムカード、押しといたぞ。18時で押しといてやったからな」
「えっ……?」
「月間の残業時間がリミット超えそうだっただろ? 超えたら俺の査定に響くんだよ。記録上は定時退社ってことにしてやるから、キリのいいところまでやってから帰れよ」
部長はニヤニヤしながらそう言い捨て、先に帰宅してしまいました。
これは明白な労働基準法違反、いわゆる「サービス残業」の強要です。
怒りがこみ上げましたが、私はそこで騒ぐのをぐっと堪え、冷静に「ある準備」をしてから帰路につきました。
「幽霊が仕事したんですか?」監査で突きつけた決定的証拠
数日後、本社から人事部の監査が入ることになりました。
部長は「うちは完璧な勤怠管理をしているから大丈夫だ」と余裕しゃくしゃく。
監査員にタイムカードの束を見せ、自信満々に説明しています。
しかし、監査員は私のタイムカードと、手元の資料を見比べて首をかしげました。
「部長、奇妙ですね。この社員のタイムカードは連日18時に打刻されていますが……セキュリティ会社の『入退室ログ』と、社内サーバーの『PC稼働ログ』は、毎日22時過ぎまで記録が残っていますよ」
「は……? い、いや、それは何かの間違いで……」
狼狽える部長。
そこで私がスッと手を挙げ、監査員にUSBメモリを差し出しました。
「間違いではありません。部長が私の代わりにタイムカードを押した後、私が実際に業務を行っていた時間に送信した業務メールの履歴と、保存したファイルのタイムスタンプ一覧です。念のためまとめておきました」
「なっ……お前!!」
「記録上『退社』しているはずの人間が、その3時間後に社内PCでメールを送っている。これは幽霊の仕業でしょうか? それとも……誰かが意図的に時間を改ざんしたのでしょうか?」
私がニコリと笑うと、部長は顔面蒼白になり、言葉を失いました。
動かぬ証拠を突きつけられた部長は、その後の調査で常習的な改ざんが発覚し、懲戒処分に。
私は未払いだった残業代を全額きっちりと支払ってもらい、晴れ晴れとした気分でそのブラック部署を去ることができました。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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