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「俺は客だぞ、急げ!」と運転席を蹴るタクシーの乗客。だが、運転手のある一言に態度が一変【短編小説】

俺は客だぞ急げと運転席を蹴るタクシーの乗客だが運転手のある一言に態度が一変短編小説

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

「おい、急げよ!」座席を蹴り上げる迷惑な乗客

私はタクシー運転手をしています。
深夜の繁華街、手を挙げたのはスーツ姿の40代くらいの男性でした。
お酒臭い息を吐きながら後部座席に乗り込むなり、彼は威圧的に行き先を告げました。

「〇〇駅まで。あと15分で終電なんだよ。飛ばせよ!」

「かしこまりました。ですが、安全運転で参りますので……」

「あぁ? つべこべ言わずに行けよ! 俺は客だぞ!急げ!」

走り出してすぐ、信号待ちで止まると、男性のイライラはピークに達しました。
「ドン! ドン!」 なんと、彼は私の座席の背もたれを革靴で思い切り蹴り始めたのです。
背中に衝撃が走り、私は恐怖を感じました。

「ノロノロ走ってんじゃねえよ! 間に合わなかったら責任取れんのか! おい!」

運転への妨害行為は事故に繋がります。
これ以上は危険だと判断した私は、ハザードランプをつけて車を路肩に寄せ、静かに停車させました。

「では、警察を呼びます」急ぐ客を黙らせた皮肉な結末

「おい! 何止まってんだよ! 急げっつってんだろ!」

怒鳴り散らす男性の方を振り返り、私は冷静かつ事務的にこう告げました。

「お客様、ただいま座席を強く蹴られましたね? 車両に不具合が生じた可能性があります。安全確認のため、これより『運行を停止して、警察立ち会いのもと車両点検』を行います」

「は……?」

「キズや破損の確認と、被害届の作成が終わるまで動きません。警察が到着するまで20分、現場検証で1時間ほどかかりますが、よろしいですね?」

「い、1時間!? 終電なくなるだろ! ふざけんな!」

「ですが、整備不良のまま走るわけにはいきません。お客様が蹴ったせいですから」

私が無線で配車センターに連絡しようとすると、男性の顔色がサッと青ざめました。
ここで警察を呼ばれれば終電どころか、器物損壊で捕まる可能性すらあります。

「わ、悪かった! 蹴ってない! もう何もしないから! 頼むから出してくれ!」

さっきまでの威勢はどこへやら、彼は涙目になって懇願してきました。

「次は絶対に暴れないと約束できますか?」

と念押しし、私は再び車を走らせました。もちろん、法定速度遵守で。

その後、男性は借りてきた猫のように大人しくなり、目的地に着くと逃げるように降りていきました。
「急がば回れ」という言葉を、高い料金を払って学んでいただけたようです。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

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