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「半額シール貼れ」と騒ぐ客。だが、店員が賞味期限を見せ、定価で買うハメになった赤っ恥な話【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「半額シールを貼れ!」高級肉を強要する迷惑客
私がパートをしているスーパーマーケットでの出来事です。
夕方のスーパーといえば、店員が割引シールを貼り始める「値引きタイム」が名物。
私の働く店でも、その時間帯はいつも戦場のような熱気になります。
ある日の夕方、私が精肉コーナーでシールの準備をしていると、50代くらいの男性客がツカツカと近づいてきました。
そして、私の目の前に高いお肉のパックを突き出し、偉そうな態度でこう言ったのです。
「おい店員、これにさっさと半額シール貼れよ。もう時間だろ?」
彼が持ってきたのは、1パック数千円もする最高級のステーキ肉でした。
確かに時間は夕方ですが、すべての商品が半額になるわけではありません。
私はパックを手に取り、ラベルを確認しました。そして、ニッコリと笑ってこう告げました。
「申し訳ございません、お客様。こちらの商品にはシールを貼ることができません」
すると男性は激昂。
「はあ!? ふざけんな! 客へのサービスだろ、ケチケチせずに貼ればいいんだよ!」
と大声で騒ぎ始めました。 その怒鳴り声に、他のお客様たちも驚いて足を止め、何事かとこちらを見ています。
完全に自分が優位だと思っている男性。しかし、私は冷静に、周囲にも聞こえるようハッキリと言いました。
「まだ新しい商品です」まさかの自爆で定価購入へ
「お客様、消費期限をよくご覧ください。このお肉の期限は『明後日』までございます。これは今日入荷したばかりの、一番新鮮な商品ですので、お値引きはできないんです」
一瞬、その場が静まり返りました。
男性は慌ててパックの日付を確認します。
そこには確かに、明後日の日付が。
周囲のお客様からは、
「うわ、新しい肉にシール貼らせようとしたの?」「セコすぎる…」「ダサっ」
というヒソヒソ声と失笑が漏れ始めました。
顔を真っ赤にした男性。
いまさら「じゃあ要らない」と言って棚に戻すのは、自分が「金のないクレーマー」だと認めるようなものです。
プライドが許さなかったのでしょう。彼は震える声で叫びました。
「ふ、ふん! わかってて試しただけだ! そもそも買うつもりだったんだよ! 定価でな!!」
結局、男性はその高いステーキ肉をカゴに入れ、逃げるようにレジへ向かっていきました。
本来なら払わなくて済んだかもしれない「見栄」という代金まで上乗せされ、高い買い物になりましたね。
男性の背中を見送りながら、私は心の中で小さくガッツポーズをしたのでした。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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