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「このミスは部下ですね」と嘘で逃げる上司。しかし、メールの履歴から嘘がバレ、散々な結末に【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
会議室で響いた上司の裏切りの言葉
その瞬間、会議室の空気が一瞬にして凍りつきました。
「今回のこのミスは部下ですね。私は何度も注意したんですが……」
役員たちが並ぶ重苦しい空気の中、私の隣に座る上司は、平然とした顔でそう言い放ちました。信じられない思いで横を見ると、上司は私と目を合わせようともせず、手元の資料を弄んでいます。
ことの発端は、取引先への納品個数の桁間違いでした。もちろん、私は正しい数字で申請書を作成していました。
しかし、最終承認の段階で「前年比を考えればこの数字になるはずがない。修正しておけ」と強く指示したのは、他ならぬこの上司だったのです。
「本当に大丈夫ですか?」と念押しした私に、「責任は私が取るから」と鼻で笑ったのは誰だったのでしょうか。
役員の一人が厳しい視線を私に向け、「君、これはどういうことかね?」と問いかけます。上司は心の中で「これで逃げ切った」と舌を出していることでしょう。
でも、残念でした。私はこれまでの理不尽な扱いに耐えかねて、準備をしていたのです。
「申し訳ありません。ですが、事実確認のためにこちらをご覧いただけますでしょうか」
嘘が暴かれた上司
私は震える手を抑えながら、手元のパソコンをプロジェクターに接続しました。スクリーンに映し出されたのは、あの日、上司から送られてきた業務メールの履歴です。
『私の指示通り、0を一つ増やして修正すること。君のこの計算は当てにならないからね』
送信日時、送信者、そして文面。すべてが白日の下に晒されました。
「……これは、どういうことかな?」
役員の低くドスの効いた声が響きます。上司の顔色は、一瞬にして土気色へと変わりました。
「い、いや、これはその、タイプミスと言いますか、ハッキングされた可能性も……」としどろもどろに言い訳を並べますが、誰も聞く耳を持ちません。
その後、上司は「管理能力欠如」として、閑職への異動が命じられました。
自分の保身のために部下を売ろうとした代償は、あまりにも大きかったようです。私は今、新しい上司のもとで、風通しの良い環境で仕事を続けています。
正しいことを記録に残しておくことの大切さを、身をもって知った出来事でした。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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