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「全部ゴミよ」と夫のコレクションを勝手に捨てた妻。だが、夫が買取査定額を見せると顔色が一変【短編小説】

夫の留守中に決行した大掃除
結婚生活3年目、私にはどうしても許せないことがありました。それは、夫が独身時代から集めていた大量のレトロなフィギュアや、古びたおもちゃの山です。
夫が「書斎」と呼んでいる部屋は、その不気味な「ガラクタ」で埋め尽くされていました。
「片付けて」と何度言っても、夫は「これは大事な資産だから」と笑って誤魔化すばかり。その態度が、私のイライラを募らせていました。
ある晴れた日、夫が一日不在にする日がありました。
「やるなら今しかない」
私は衝動的に特大のゴミ袋を手に取りました。箱に入ったままの人形、色あせたミニカー、よく分からないカードの束。それらを次々と袋に詰め込んでいきます。
ゴミ捨て場に山積みになった十数個の袋を見て、私は今までにない爽快感を感じていました。ようやくこの家が「普通」の綺麗な家になったのです。
突きつけられた一枚の紙
夕方、帰宅した夫は書斎のドアを開けた瞬間、膝から崩れ落ちるようにへたり込みました。
「ない……僕のコレクションが全部ない!」
顔面蒼白になり、震える声で問いただす夫に、私は腕を組んで冷たく言い放ちました。
「いつまでも片付けないあなたが悪いの。あんなの、全部ゴミよ」
夫は怒鳴ることもなく、静かに、そして震える手でスーツの内ポケットから一枚の紙を取り出しました。
「……来週、これを売って君が欲しがっていた車の購入資金にしようと思って、昨日査定に出してきたばかりだったんだ」
夫が差し出したのは、買取専門店の査定書でした。そこに記された数字を見た瞬間、私の頭からサーッと血の気が引きました。
(合計査定額:380万円)
「え……嘘、でしょう?」
「中には世界に数個しかない限定品も未開封であったんだ」
私は慌ててゴミ捨て場に走りましたが、すでに収集車が来た後で、そこには何も残っていませんでした。
現在、夫とは別居し、離婚調停が進んでいます。夫からは損害賠償として査定額全額を請求されていますが、パート主婦の私に払える額ではありません。
あの一瞬の「掃除」が、私の人生そのものを壊す引き金になるとは、あの時は思いもしなかったのです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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