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「高卒と結婚とか絶対にムリ!やめときな?」と言う友人。私の彼を見た瞬間、声を失った理由【短編小説】

学歴フィルター全開の友人
先日、学生時代からの親友と久しぶりにカフェでお茶をしました。積もる話も一段落し、私は意を決して一番の報告を切り出しました。
「実はね、今付き合っている人と、結婚しようと思うんだ」
一瞬きょとんとした後、友人は「えー!おめでとう!」と満面の笑みで喜んでくれました。私もつられて笑顔になり、彼がどんなに誠実で、私を大切にしてくれるかを話しました。
「それで、お相手はどんな人なの?会社とか……学歴とか」
彼女が何気なくそう尋ねたので、私は正直に答えました。「仕事は専門職だよ。あ、学歴は高卒だけど、すごく頑張り屋さんで」
その瞬間、あんなに笑顔だった友人の表情がスッと真顔に戻りました。「……高卒?」
信じられない、というような声でした。そして、まるで汚いものを見るかのような目で私を見たのです。
「高卒と結婚とか絶対にムリ!やめときな?」
彼女の声は、先ほどまでのお祝いムードとは打って変わって、冷たく響きました。
「悪いこと言わないから。絶対に苦労するよ。将来のこと考えたら、やっぱり大卒以上じゃないと」
学歴だけで、私の大切な人を全否定されたことがショックで、私は何も言い返せませんでした。彼は、学歴がないことをバネにして、誰よりも努力し、自分の力で道を切り開いてきた人です。
そんな彼の中身を見ようともしない友人に、心の底からがっかりしました。
彼女の価値観が変わった日
それから数週間後。あの日以来、少し気まずい関係になっていた友人から「新居に遊びに行きたい」と連絡がありました。私は彼とすでに同棲を始めていたのです。
関係を修復するきっかけになればと思い、私は彼女を招待しました。
「へえ、いいマンション住んでるね!結構広いじゃん」
部屋に入った友人は、窓からの眺めやインテリアを興味深そうに見て回っていました。彼女がリビングのソファに腰掛けた、ちょうどその時です。
ガチャリ、と玄関のドアが開く音がしました。
「あ、彼が帰ってきたみたい」。私が言うと、友人は少し緊張した面持ちで玄関の方を見つめています。
「ただいま。あ、お客様だったんだね」
そう言ってリビングに入ってきた彼を見て、友人は持っていたティーカップを危うく落としそうになり、そのままカチン、と固まってしまいました。
彼女の視線は、彼が着ている上質なオーダーメイドのスーツと、手にした高級ブランドのビジネスバッグ、そして何より、自信に満ちたその佇まいに釘付けになっていました。
「はじめまして。いつも仲良くしてくれて、ありがとうございます」
彼は友人に気づくと、にこやかに、そしてとても丁寧に頭を下げました。友人は「あ……え……」と、声にならない声を漏らしたまま、彼から目が離せないでいます。
無理もありません。私の彼は、高卒で現場に飛び込んだ後、数年前に独立。今では若手のIT起業家として、メディアに取り上げられることもある人だったのです。
友人が合コンのたびに自慢していた「一部上場企業の大卒エリート」たちよりも、遥かに大きな成功を掴んでいることは、その立ち居振る舞いと雰囲気だけでも伝わったのでしょう。
「高卒」というたった一つの情報で彼を「ムリ」と切り捨てた友人。彼女が失った声は、きっと、彼女自身が持っていた狭い価値観が、目の前でガラガラと崩れていった音だったのだと思います。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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