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夫「保育園ではイクメンで有名だから」→お迎えの時に先生が放った、現実的な一言に顔色が一変【短編小説】

夫の口癖は「俺、イクメンで有名だから」
夫はよく言います。「俺、保育園ではイクメンで有名だから」。
家では、私が「ちょっと子どものお風呂お願い!」と頼んでも、「今、仕事のメール返してる」とスマホから目を離さない人なのに、です。
「有名って、誰が言ってるの?」 私がそう聞くと、「いや、雰囲気でわかるだろ。この前の運動会だって、俺が一番声出してただろ」と胸を張ります。 確かに、年に数回のイベントには参加します。ですが、平日の送り迎え、着替えの準備、保育園の先生との日々の連絡ノートのやり取り…。それらは全て私の仕事です。
彼が言う「イクメンで有名」という言葉を聞くたび、私の心には小さなモヤモヤが溜まっていきました。彼が本当に「イクメン」だと思われているのなら、それは私が毎日、彼の見えないところで必死にフォローしているからなのに。そんな私の努力は、彼の自信の陰に隠れてしまうのです。
夫の自信が崩れた瞬間
ある日の夕方、珍しく夫の仕事が早く終わったと、保育園のお迎えに一緒に行くことになりました。
「よーし、イクメンパパの登場だ!」
夫はいつもより上機嫌です。保育園に着くと、彼はわざとらしいほど大きな声で、「お世話になってます!お迎えに来ました!」と言いました。
ちょうど、いつもお世話になっているベテランの担任の先生が出てきてくれました。
夫はチャンスとばかりに、「先生!俺、この保育園でイクメンで有名って聞いたんですけど、本当ですか?」と、笑顔で話しかけました。
私は(やめて、恥ずかしい…!)と、顔から火が出そうでした。
先生は一瞬、不思議そうな顔をしました。
そして、穏やかな、しかし一切笑みのない声で、こう言ったのです。
「……すみません、お父さん。いつも送り迎えはお母さんなので、お父さんがいらっしゃるのは、入園式以来でしょうか」
先生の言葉は、静かな教室に響きました。
夫の顔から、みるみる笑顔が消えていきました。「あ…えっと…」と言葉を濁す夫。
「有名」どころか、先生は夫の顔さえほとんど覚えていなかったのです。
これが現実です。
私は先生に「いつも本当にありがとうございます」と深く頭を下げ、固まっている夫の腕を引いて、息子の待つ教室へと急ぎました。
夫は帰り道、一言も喋りませんでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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