Share
「別れようか」別れ話をLINEで済まそうとする彼。返信内容に困ってた数日後にまさかの再開【短編小説】
彼からのあるLINE
最近、彼とは少しギクシャクしていました。
仕事が忙しい、という理由で会う約束を断られることが増え、LINEの返信もどこかそっけない。
「疲れてるのかな」 そう思うようにしていましたが、胸の奥に小さな不安が芽生えていたのも事実です。
そんなある日の夜。 仕事を終えて帰宅途中、スマホが鳴りました。彼からです。
『今、大丈夫？』 短いメッセージ。でも、いつもの軽い感じではありません。
心臓が、ドクンと嫌な音を立てました。
『どうしたの？ 今、電車の中だけど』 すぐに返信すると、数分待って、また彼から。
『そっか。あのさ、ちょっと大事な話があって』
「大事な話」 それは、私が一番聞きたくない言葉の予感がしました。
怖くて、すぐには返せません。電車を降りて、落ち着ける場所で返事をしよう。
そう思ってスマホを握りしめました。
駅に着き、ホームのベンチに座って、深呼吸をひとつ。
『うん。なに？』 返信を押す指が、少し震えました。
すると、数秒も経たないうちに、既読がつきました。
そして、送られてきたメッセージを見て、私は息を飲みました。
「別れようか」
たった一言、それだけでした。
え？ 「大事な話」って、これ？ 電話でもなく？ 直接会うでもなく？ さっきのやり取りは、この一言を送るための前置きだったというのでしょうか。
怒りよりも先に、深い悲しさと戸惑いが押し寄せました。こんなに大事な話を、LINEで終わらせようとするなんて。
指が震えて、なんて返信すればいいか分かりません。
「わかった」？ 「どうして」？ それとも「ちゃんと話そう」？
どれも違う気がして、結局、私はそのメッセージを開いて「既読」をつけたまま、何も返せずにスマホを伏せました。
数日後、彼と出会ってしまった
それから三日間、スマホが鳴るたびに肩が跳ねました。
でも、彼からの追撃の連絡はありません。
私も、送れませんでした。 既読スルーは、私にできる精一杯の抵抗であり、同時に「考えさせて」というサインのつもりでした。
週末の昼下がり。 重たい気分を引きずったまま、気分転換に近所のカフェで本を読んでいた時のことです。 カラン、とドアベルが鳴り、入ってきた人を見て、私は目を疑いました。
彼でした。
よりによって、こんな場所で。最悪のタイミングです。
彼も私に気づき、一瞬驚いた顔をしましたが、すぐに気まずそうに目をそらしました。
そして、私には目もくれず、そのまま注文カウンターに向かいます。
その背中が、すべてを物語っているように見えました。
「もう、話すことはない」 そう言われている気がしました。私も、声をかける勇気はありませんでした。
ああ、そうか。 あのLINEが、彼の本心だったんだ。
直接会っても、彼は私と向き合おうとはしない。
私は静かに席を立ち、彼に気づかれないよう静かにカフェを出ました。
空は青いのに、私の心はどんよりと曇っていました。
もう、彼からの返事を待つ必要はない。そう、自分に言い聞かせました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
友だち登録＆アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で５名様にプレゼント！
＼ 今すぐ応募する ／
Gallery
SHARE !
この記事をシェアする
Follow us !
GLAM公式SNSをフォローする
Feature
おすすめ記事
