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「俺は忙しいから、お前がやれよ」と部下に押し付けてサボる課長がまさかの昇進!?一体何が…【短編小説】

サボる上司と、残業する私
私の直属の課長は、いつもイライラした声でこう言います。
「あー、これ、俺は忙しいから、お前がやれよ」
その「これ」が、本来なら課長自身がやるべき重要な企画書だったり、他部署との面倒な調整だったりするのです。
私は(またか…)と心の中で大きなため息をつきながら、分厚い資料の束を受け取ります。
課長はというと、私に仕事を押し付けた後は、自分の席でこっそりネットサーフィンをしているか、タバコ休憩に行ってはなかなか戻ってきません。
おかげで、私や他の同僚は毎日終電ギリギリ。オフィスの電気を最後に消すのは、いつも私たち部下の役目でした。
(なんであんな人が課長なんだろう…)
(私たちの残業時間を知らないんだろうか…)
不満が募る一方で、私たちはただ目の前の仕事を黙々とこなすしかありませんでした。
課長の知られざる裏の顔
そんなある日、社内で異動の辞令が発表されることになりました。
「あの課長、ついにどこかに飛ばされるんじゃない?」
「さすがにサボりすぎだもんね」
私たちは休憩室でそんな噂話をして、少しだけスッキリしていました。
しかし、社内の掲示板に張り出された辞令を見て、私たちは言葉を失いました。そこには「〇〇課長、部長へ昇進」と書かれていたのです。
「え?」「嘘でしょ?」
「あのサボり課長が?」
オフィスは一瞬で静まり返り、その後、困惑と納得のいかない小声があちこちから上がりました。
納得がいかないまま数日が過ぎた頃、私は突然、役員フロアに呼び出されました。緊張して入室すると、そこにいたのはなんと、あの課長と役員でした。
役員は私に「君の部署が担当していた、例のプロジェクトの件だが…」と切り出しました。
そこで明かされた事実に、私は耳を疑いました。
課長が「忙しい」と言って私たちに仕事を任せていた裏で、実は、社運を賭けた極秘の大型プロジェクトをたった一人で進めていたというのです。情報漏洩を極端に恐れた上層部からの特命で、部下である私たちにすら内容を明かせなかったこと。
「サボっている」ように見えたのは、実際には社外の提携先と秘密裏に交渉を重ねたり、膨大なデータを分析したりしていた時間だったこと。
そして、そのプロジェクトが見事に成功し、会社に莫大な利益をもたらしたこと。課長の昇進は、その大きな功績が認められた結果だったのでした。
役員室を出た私に、課長はいつものぶっきらぼうな口調で言いました。
「…お前らのおかげで、俺も裏の仕事に集中できた。まあ、悪かったな」
そう言って差し出されたのは、高級な栄養ドリンクでした。「忙しい」の本当の意味を知った今、私は少しだけ課長を尊敬できるかもしれません。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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