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チャモロ・ビレッジ誕生秘話。グアムの心をつなぐナイトマーケットの物語

 

グアムの首都ハガニアにあるチャモロ・ビレッジ。

毎週水曜の夜になると、この場所は魔法にかかったように表情を変えます。

香ばしいバーベキューの煙、陽気な音楽、そして人々の笑い声。

ここは人気の観光名所であると同時に、地元コミュニティの暮らしと誇りが息づく“島の心臓部”でもあります。

この記事では、チャモロ・ビレッジがどのようにして生まれ、なぜ今もグアム文化の発信地として愛され続けているのか、その物語をたどります。

リゾートのきらめきとはひと味違う、グアムの「生活のリズム」や「家族の記憶」に、そっと耳を澄ませてみませんか。

 

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“島の暮らし”が息づく場所

 

チャモロ・ビレッジは、グアムの文化や伝統、そして「今」の暮らしが一堂に会するマーケットエリアです。

スペイン風の建物が並ぶ敷地内には、食欲をそそる屋台、手作りの工芸店、新鮮な野菜や果物のスタンドがひしめき合っています。

一歩足を踏み入れれば、まるで“島の大家族”の一員になったような温かさを感じられるはず。

ここは「Made on Guam(グアム製)」の製品や地元のお店を応援する場所であり、島の創造性を育み、新しいチャレンジを支える場所としての役割も担ってきました。

立地は、ハガニア・マリーナやパセオ・デ・スサンナ公園のすぐそば。スキナー広場やグアム博物館の真向かいという、まさに歴史文化ゾーンのど真ん中にあります。

昼間は素朴で穏やかな空気が流れていますが、夜になると屋台の明かりと音楽で熱気が一気に高まる。そんな“一日で二度おいしい”場所なのです。

水曜の夜に灯る“魔法”

 

チャモロ・ビレッジが最も輝くのが、毎週水曜のナイトマーケット(おおむね17:30〜21:30頃)。

1998年に始まったこの夜市は、地元の人々や職人さんが“最初の一歩”を踏み出すチャレンジの場として育ってきました。

今では、島の食、音楽、ダンス、手仕事を通じて、チャモロ文化を丸ごと体感できる一大イベントになっています。

スペイン風のアーケードをくぐり抜けると、そこは別世界。炭火がパチパチと爆ぜる音、ライブミュージックのリズム、伝統ダンスの歓声。

搾りたてのフレッシュジュースの屋台や、カラバオ(水牛)乗り体験なども人気を集めています。

 

なぜ水曜日なのでしょう?

それは、観光のピークと重なりにくく、地元の家族も「週の真ん中」に集まりやすいから。学校や仕事帰りの合流地点としてもぴったりなのです。

最初は数えるほどだった屋台が口コミで増え、今では“水曜に島がひとつになる”とまで言われる風物詩になりました。

炭火BBQに並ぶ長い列、手際よくレッドライスをよそう店員さん、シナヒ(三日月形のネックレス)を覗き込む子どもの真剣な眼差し。すべてが水曜の夜を彩るおなじみの風景です。

ハガニアという“記憶の場所”

 

なぜ、この場所が選ばれたのでしょうか。そこには「首都ハガニアから、もう一度文化を立ち上げよう」という強い意志がありました。

ハガニア(Hagåtña)は、古くから政治と信仰の中心地でした。特にスペイン統治時代、人々を集住させる政策(reducción)が行われて以降、島の要として機能し続けます。

残念ながら戦争で街並みの多くは失われましたが、戦後の再建を経て、歴史や文化の資源が集まるこの場所に“新しい市場”を作ることは、チャモロ文化の再生を象徴する決断だったのです。

マリーナ、広場、博物館、教会が歩いて回れる距離にある。この「歩いて楽しい」コンパクトな設計が、地元の人にも観光客にも愛される理由のひとつです。

地元の人々にとっての“もうひとつの家”

 

チャモロ・ビレッジのお店の多くは、家族で経営されています。おばあちゃんの秘伝レシピが娘や孫に受け継がれ、放課後には子どもたちが屋台を手伝う。

そんな日常の光景が、ここには当たり前に息づいています。

ここは単に“文化を売る場所”ではなく、“文化を守り、つないでいく場所”なのです

観光客と島民が自然に交わることで、若い世代が自分たちのルーツに誇りを持つきっかけにもなっています。

常連さん同士が交わす「また来週ね!」という挨拶こそが、この場所の温かい心拍音なのかもしれません。

“島の暮らし”を丸ごと体験

flickrより引用

 

チャモロ・ビレッジでは、食・音楽・ダンス・工芸が、あちこちで同時多発的に繰り広げられます。

ただ買い物や食事をするだけでなく、作り手から直接、その背景にあるストーリーを聞けるのが最大の魅力です。

食文化
レッドライス、ケラグエン、BBQチキン、フィナデニソース、アピギギ(ココナッツ餅)など、家庭の味が屋台にずらり。

音楽・ダンス
広場では伝統舞踊が披露され、見ているうちに観客がダンスの輪に加わることもしばしば。

工芸
ココナッツの葉編み、貝殻のアクセサリー、バナナ繊維のバッグ、イフィル材(グアムの固い木材)の木工品など、島の素材を活かした手仕事に出会えます。

「Made on Guam」を探してみよう

木工品
島の象徴でもある赤褐色のイフィル材で作られた、実用的な工芸品やアート。

ジュエリー
人気の定番は、三日月形の「シナヒ」ネックレス。素材はシャコ貝やクジラ骨、玄武岩など様々です。

地元の味
チョコレートや焼き菓子、ジャム、蜂蜜、特製ソースなど、“島の恵み”をお土産にどうぞ。

初めてでも安心!ナイトマーケットを楽しむために知っておくべきこと

flickrより引用

 

ナイトマーケットを120%楽しむコツは、“買う前に、まず空気を感じる”こと

時間帯

18時台は地元の人の買い出しで賑わい、19時半以降は雰囲気も最高潮に。

ただし、人気メニューは閉店前に売り切れることも多いので、早めの到着がおすすめです。

支払い

現金しか使えない屋台もまだまだあります。

1ドル、5ドル札や小銭を多めに用意しておくとスムーズです。

服装

歩きやすいサンダルや軽装で。屋外なので、念のため折り畳み傘など雨の対策もしておくと安心。

アクセス

タモン地区から車で約10分。駐車場はすぐに混み合います。

帰りのタクシーや配車アプリは、混雑のピークを迎える前に手配しておくと良いでしょう。

“水曜の灯り”が照らす未来

 

チャモロ・ビレッジが25年以上にわたって残してきた最大の功績は、「地元で生まれた価値を、地元でしっかり循環させる」という仕組みを作り上げたことです。

観光の表舞台でありながら、地域の生活に根ざした“いつもの居場所”であり続ける。その絶妙なバランス感覚こそが、長く愛される理由でしょう。

「Buy Local(地元で買おう)」の精神は、ここから島全体へと広がっていきました。

まとめ

チャモロ・ビレッジは、単なるマーケットではありません。島の記憶と誇りを次の世代へバトンタッチするための、大切なプラットフォームです。

水曜の夜、屋台の灯りがともるたび、グアムの人々は自分たちのルーツを再確認し、訪れた人々は“本当のグアム”の温かさに触れます。

次のグアム旅行では、ぜひハガニアのこの“夜の村”を訪れてみてください。きっと、旅の記憶が一段と豊かなものになるはずです。

 

参考

Chamorro Village | グアム政府観光局

Chamorro Village: Wednesday Night Market | グアム政府観光局

Guam Villages – Guampedia

Chamorro people – Wikipedia

Chamorro Village | DCA

 

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