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「お金を払ってるのに文句あるの?」と母の介護をしない兄が実は苦しんでいた…その理由とは【短編小説】

お金を払ってるのに文句あるのと母の介護をしない兄が実は苦しんでいたその理由とは短編小説

お金だけの兄

「お金を払ってるのに文句あるの?」

母が亡くなって一月。
遺品整理のために集まった実家で、兄が吐き捨てた言葉に、私は唇を噛みました。

「生活費も介護費用も、俺が毎月きっちり振り込んでただろ。お前は実家に住んで、母さんの年金も使えたんだから楽だったはずだ」

私は数年間、認知症が進んだ母をひとりで介護してきました。兄は遠方で家庭があることを理由に、介護には一切関わらず、本当にお金を振り込んでくるだけでした。

「楽だった…? お兄ちゃんは一度だって、夜中に徘徊する母さんを探しに行ったこともないくせに!」

「金だ。金がなきゃ介護も生活もできねえんだよ。俺はそれを払ってた。文句あるか?」

お金はもちろん大事です。でも、お金だけでは介護はできません。日々の食事、排泄の世話、通院の付き添い。すべて私一人でした。

兄の冷たい言葉に、これまで溜め込んできたものが一気にあふれ、涙が止まらなくなりました。

ノートが繋いだ兄妹の絆

もう兄とは話したくない。そう思って母の寝室の片づけを黙々と続けていると、古いタンスの奥から、一冊の大学ノートが出てきました。母の日記でした。

震える手でページをめくりました。そこには、私の介護への感謝の言葉が拙い字で綴られていました。そして、最後のページ近くに、兄のことが書かれていたのです。

「おにいちゃんから電話。今月もお金を振り込んだと。あの子は『家が遠くて、今の家庭と職場も大切にしなければいけない、妹に全部押し付けて、本当に申し訳ない。俺にはこれしかできないから』といつも謝っている。2人とも苦しんでいる。どうか、おにいちゃんを許してやってほしい」

私はそのページを兄に見せました。
兄はしばらく黙ってノートを見つめていましたが、やがて顔を上げ、私に深く頭を下げました。

「本当に、すまなかった」

兄は、お金を出すことでしか自分の責任を果たせない負い目と、私への申し訳なさを、あのぶっきらぼうな言葉で隠していたのです。

母が残してくれたノートが、壊れかけた兄妹の絆を、涙と共に繋ぎ直してくれました。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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