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「体調悪いんで、今日はお休みします」当欠連絡をLINEで済ます後輩が考えを改めたある一言【短編小説】

今時の休みますLINEを送る後輩
月曜の朝7時半。
まだコーヒーも飲みきってないうちに、スマホが鳴った。
通知はLINE。
送り主は入社2年目の後輩、翔太。
翔太:おはようございます!体調悪いんで、今日はお休みします
……は?
寝ぼけた頭が一瞬で覚める。
俺は電話を片手にしながら、眉をひそめた。
俺:こういうのは電話でするもんだぞ。
翔太:え、でもLINEの方が早くないですか?
今どき電話って逆にびっくりしますよ笑
(“今どき”ね……)
イラッとする文字の軽さに、胃がきゅっと縮む。
俺:会社は“今どき”じゃ動かないんだよ。ルールを守れ。
既読。返信なし。
数秒後、スタンプだけがぽん、と届いた。
出社すると案の定、課長が俺を呼んだ。
「翔太くん、今日は欠勤か?連絡入ってる?」
「LINEで来てます。」
「LINE?」
課長の眉が上がる。
「君が注意しておいて。社会人としての基本だから。」
(だよな。)
ため息をついて、翔太のデスクを横目に見る。
PCの上には推しアイドルのアクスタ。
“推しには真面目、上司には軽い”ってか。
後輩に伝えた電話の必要性
翌日。翔太が出社してきた。
ケロッとした顔で「おはようございます〜」と言いながら席に着く。
俺は資料を机に置いた。
「翔太、昨日の欠勤届、ちゃんと総務に出したか?」
「あ、忘れてました!」
「じゃあ今すぐ出して。休んだ理由も書くように。」
「え、なんかそれって昭和っぽくないっすか?
体調悪かったのに、書類書けとか冷たすぎません?」
一瞬、空気が止まった。
隣の席の同僚がそっとイヤホンを外す。
俺はゆっくりと口を開いた。
「翔太。“昭和っぽい”って言葉、便利だけどさ。
仕事って、“時代”じゃなくて“責任”で回ってるんだよ。」
翔太が口をつぐむ。
俺は続けた。
「俺もお前くらいのとき、上司に言われた。
“社会人は、伝え方ひとつで信頼を失う”ってな。
電話一本で済むことを、LINEで軽く扱うな。」
静まり返ったオフィスに、キーボードの音だけが響いた。
その日の夕方。
定時間際にスマホが震えた。
差出人は翔太。
翔太:田中さん、今日はいろいろすみませんでした。
言われて気づきました。
“今どき”って言葉で、ちゃんと考えることサボってました。
俺:気づけばいい。次からでいいよ。
翔太:明日、始業前に電話で挨拶します笑
思わず吹き出した。
(まあ、そこまでしなくていいけどな)
デスクを片づけながら、少しだけ嬉しくなった。
常識って、押しつけるんじゃなくて、伝わる瞬間が一番スカッとする。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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