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「これくらい当然よ」とブランド品を自慢するママ友。聞こえてしまった彼女の秘密に言葉を失う【短編小説】

公園に響く嫉妬の声
私は娘の幼稚園のお迎えの後、公園で他のママさんたちと情報交換をするのが日課です。
その日も、気さくな橘さんたちと談笑していると、篠原さんがやってきました。
篠原さんは、いつも流行のブランドバッグやアクセサリーをこれ見よがしに身につけていて、正直なところ、少し近寄りがたい印象の人です。
彼女は、私が持っていたトートバッグを一瞥するなり、わざとらしく大きなため息をつきました。
「あら、望月さん。また新しいブランドバッグ?本当にブランドばっかりで嫌味ねぇ。私たち“普通”の主婦とは違うってアピールかしら?」
そのバッグは、先日、夫が結婚記念日にプレゼントしてくれたものでした。
確かに少し良いものではありますが、決して見せびらかすように持っていたつもりはありません。
「そ、そんなつもりは……」私が口ごもっていると、隣にいた橘さんが助け舟を出してくれました。
「いいじゃない、素敵なバッグよ。篠原さんこそ、そのバッグ、新作でしょ?いつも素敵ね」
すると篠原さんは、「あら、これ?これは“当然”よ。私レベルになると、これくらい当然よ」と得意げに髪をかきあげました。その場はなんとかおさまりましたが、私の中にはモヤモヤした気持ちが残りました。
嫉妬ママの正体
それから数日後、私は橘さんと一緒に、駅前のショッピングモールでお茶をしていました。
すると、少し離れた席から聞き覚えのある甲高い声が……。篠原さんが、別の友人と大声で話しているのが聞こえてきたのです。
「もう最悪よ!今月もカード止められて、レンタル代が払えないの!」
私と橘さんは、思わず顔を見合わせました。「レンタル?」
「えー!いつも自慢してたバッグとか全部?」
「そうなのよ!『月額定額制でブランド品使い放題』ってやつ。でも夫のお給料じゃ厳しくて、支払いが滞ってて……督促の電話が鳴り止まないのよ!」
耳を疑いました。あの篠原さんのブランド品が、すべてレンタルだったなんて。
「でも、よく望月さんとかに『ブランドばっかり』って嫌味言ってたじゃない」
「あんなの、言っておかないとやってられないわよ!本物持ってる人を見てると、こっちが惨めになるじゃない!レンタル品だってバレたくなくて!」
あまりの内容に、私たちは言葉を失いました。
しばらくして篠原さんが席を立つと、橘さんがわざと私に聞こえるように言いました。
「あら、大変ねぇ。レンタル品で見栄を張って、本物を持ってる人を妬むなんて。よっぽど自分に自信がないのかしら。なんだか可哀想」
その声は、戻ってきた篠原さんの耳にもしっかり届いたようでした。彼女は私たちを鬼のような形相で睨みつけましたが、何も言えずに自分の席に戻っていきました。
それ以来、篠原さんは公園にあまり姿を見せなくなり、たまに会っても目をそそくさと逸らしていきます。私は、他人の目を気にするのではなく、自分が本当に大切にしたいものを堂々と持とうと、改めて心に誓ったのでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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