親切だった先輩が、地味な私の秘密を裏垢で暴露した。証拠を突きつけ華麗に逆転しました【短編小説】

優しい先輩の仮面の下

私は都内の小さなデザイン会社で働く、どこにでもいる地味なOLでした。
会社では目立たず、黙々と仕事をこなす毎日。

ですが、私には誰にも言えない秘密がありました。
実は私、ネットでだけ活動する覆面イラストレーター「Luna」だったのです。

趣味で始めたイラストでしたが、ありがたいことに少しずつファンが増え、今ではグッズが販売されるほどの人気をいただいていました。

このささやかな秘密は、私の大切な宝物でした。

会社には、いつも親切にしてくれる鈴木さんという先輩がいました。
「佐藤さんは本当に真面目で偉いね」「何かあったらすぐ相談してね」と、いつも私を気遣ってくれる優しい人。

そんな鈴木さんを、私は心から信頼していました。あの日までは。

ある朝、出社すると社内が妙にざわついていました。皆が私をチラチラと見て、何かヒソヒソと話しています。
不審に思いながら自分のデスクにつくと、同期がこっそりスマホの画面を見せてくれました。

そこに表示されていたのは、鈴木さんの裏アカウントでした。

「【悲報】会社の地味子があの人気イラストレーターLunaだった件www」「私が色々アドバイスしてあげたから売れたのに、全部自分の手柄にしてるの、マジでないわー」

頭が真っ白になりました。信頼していた先輩が、私の秘密を暴露し、ありもしない嘘まで並べていたのです。周囲の好奇の目と、鈴木さんの心配そうなフリをした笑顔が、私を地獄に突き落としました。

しかし、数日間落ち込んだ後、私は決意しました。このまま泣き寝入りなんてしない、と。

反撃は一本のツイート

私はLunaのアカウントで、一枚のイラストと共に文章を投稿しました。

それは、鈴木さんが「私がデザインを考えてあげた」と主張していたキャラクターの、数年前のタイムスタンプが入った初期デザインデータでした。そして、こう書き添えたのです。

「私の大切なキャラクターが、あらぬ噂と共に傷つけられています。これ以上、事実無根の投稿が続くようであれば、法的措置も検討いたします」

私の投稿は瞬く間に拡散されました。
ファンの方々が、鈴木さんの嘘を次々と論破してくれたのです。あっという間に鈴木さんの裏垢は特定されて大炎上。彼女は翌週、会社に辞表を提出しました。

今はもう、秘密を隠す必要はありません。私はこれからも、胸を張って大好きなイラストを描き続けていきます。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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