同僚の「いいね」欲しさが招いた悲劇。匿名SNS投稿で炎上し全てを失った彼女の末路【短編小説】

事件はSNSで起きた

同僚の吉田さんは、キラキラした日常を投稿しては「いいね」を集めるのが好きな人でした。
まさか彼女の投稿が、あんな悲劇を招くとは夢にも思っていませんでした。

ある金曜の夜、私のミスでチーム全員が残業になりました。
何度も頭を下げる私に、吉田さんも「大丈夫だよ」と言ってくれましたが、彼女の本心は違ったようです。

その夜、吉田さんは匿名アカウントにこう投稿しました。

「無能な同僚のせいで金曜の夜が残業とか、ありえない」 投稿には、私のデスクが写り込んだオフィス内の写真まで添えられていました。

すべてを失った同僚

翌朝、同僚からの連絡で投稿を知り、凍り付きました。
投稿は「炎上」し、「ミスした人を晒すなんて最低」と批判が殺到。
匿名のはずが、写真などからすぐに会社と吉田さん本人が特定されていました。

そして「金曜日にミスした無能な同僚」が、私のことだと社内中に知れ渡ってしまったのです。

月曜日の会社は重苦しい雰囲気で、周りのヒソヒソ話が突き刺さるようでした。

やがて、部長が吉田さんを会議室へ。
出てきた彼女の顔は真っ青でした。その後、部長は私の席へ来て、「佐藤さん、本当に申し訳ない。会社としてきちんと対応する」と深く頭を下げてくださいました。

結局、吉田さんは自主退職という形で会社を去りました。
噂では友人も離れていったそうです。たった一言の愚痴が、彼女のキャリアも人間関係もすべてを壊したのです。

同僚の転落劇を目の当たりにした私は、SNSの恐ろしさに震え、その夜静かに自分のアカウントを削除しました。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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