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ジムで「器具の使い方間違ってる」と馬鹿にされた私。その人が機材を壊してスタッフに叱られた【短編小説】

ジムで器具の使い方間違ってると馬鹿にされた私その人が機材を壊してスタッフに叱られた短編小説

ジムに通い始めた時のこと

私の名前は楓(かえで)です。
健康のためにと、最近ジムに通い始めました。
まだまだ初心者なので、マシンに貼ってある説明書きをじっくり読みながら、一つ一つ使い方を覚えている最中です。

その日、私はレッグプレスマシンという、脚を鍛える器具の前にいました。
書かれている通りに重さを設定し、ゆっくりと脚を動かします。
「これで合ってるのかな…」と少し不安に思いながらも、数回繰り返した時のことでした。

「おい、お嬢ちゃん。そんな使い方じゃ全然効かねえよ」

不意に、横から見下すような声が聞こえました。
声の主は、ジムでよく見かける筋肉質な男性、健太さんでした。
彼は私の隣に立つと、ニヤニヤしながら言います。

「もっとガツンと、一気に押し出すんだよ。そんなちまちまやってたら、いつまで経っても脚は細くならねえぞ」

「はあ…でも、説明にはゆっくり動かすようにと…」
私が戸惑いながら答えると、健太さんは鼻で笑いました。

「説明書なんて初心者が読むもんだろ?俺みたいな上級者は、一番効くやり方を知ってんだよ」

あまりに自信満々な態度に、私は何も言い返せませんでした。
悔しさと恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じながら、私は「ありがとうございます」とだけ言って、その場を離れました。

大きな音の原因は?

それからしばらくして、ジムの奥の方から「ガッシャーン!」という、何かが壊れるような大きな音が響き渡りました。
何事かとそちらを見ると、信じられない光景が目に飛び込んできました。

先ほどの健太さんが、チェストプレスマシンの前で立ち尽くしていたのです。
彼は無理な重さに設定していたらしく、限界を超えたマシンからワイヤーか何かが外れ、重りが大きな音を立てて落下したようでした。

すぐにスタッフの鈴木さんが駆けつけます。
「お客様!大丈夫ですか!?なんて無茶な使い方をしてるんですか!機材が破損しています!」

鈴木さんの厳しい声に、健太さんはさっきまでの自信が嘘のように、うろたえています。
「いや、これは、その…」
「自己流で間違った使い方をされると、ご自身が怪我をするだけでなく、周りにも危険です!修理代を請求することになりますよ!」

叱責され、しょんぼりとスタッフに連れて行かれる健太さんの背中を見ながら、私は静かに自分のトレーニングを再開しました。
一番大切なのは、見栄を張ることではなく、正しく、安全に行うこと。
彼の失敗が、皮肉にも私に一番大事なことを教えてくれたのでした。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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