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彼「家は散らかってるから」→SNS「彼の家でおうちデート」見知らぬ女の投稿で全てを悟った【短編小説】

付き合って半年が過ぎた頃、私は何度か「あなたの部屋に行きたい」と言いました。
しかし、そのたびに彼は「家は散らかってるから」と笑って断りました。
忙しいのだろうと深く考えずにいましたが、心の奥ではほんの少し引っかかっていました。
SNSで見つけた写真
ある日、友人とカフェで過ごしていたとき、何気なく開いたSNSのタイムラインに、見覚えのある壁紙とカーテンが映った写真が流れてきました。
投稿者は私の知らない女性で、キャプションには「彼の家でおうちデート」と書かれていました。
壁紙の模様も、カーテンの色も、以前ビデオ通話で背景に映った彼の部屋と全く同じ。
胸が一気に締め付けられ、スマホを持つ手が震えました。
逃げられない証拠
家に帰ってから、その女性のアカウントを遡りました。
そこには、同じ部屋で撮られた写真が何枚もあり、ソファやマグカップ、ベッドカバーまでもが、私が彼から聞いていた話と一致していました。
もはや偶然ではありませんでした。
向き合った夜
その夜、私は彼に会いに行きました。
静かなカフェの席に座り、スマホを差し出します。「この部屋、あなたの家だよね?」
彼は数秒間黙り込み、その後、小さくため息をつきました。
「…ごめん」とだけ言いました。その表情に、もう何も聞く必要はありませんでした。
終わりの合図
私は席を立ち、最後にこう告げました。
「散らかってるっていうのは、部屋じゃなくて、あなたの関係のほうだったみたいね」
外に出ると、夜風がひんやりと頬を撫でました。
SNSの一枚の写真が、私たちの関係を終わらせるきっかけになるとは、あの日まで想像もしていませんでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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