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来週から来なくていいですって上司に言ったら…デスクを撤去された私の逆転劇【短編小説】

来週から来なくていいよ…まさかの展開に
「来週から来なくていいよ」って上司に言ったら、次の日から“座席がなかった”。
―でも、なぜか私の“代わり”が飛ばされた話。
「吉田課長、来週から在宅メインで進めさせてください」
それが、火種だった。
リモート希望を出しただけなのに、私の席が消えた
私はマーケティング会社で働く27歳、3年目の社員だ。
業務の9割がPC上で完結するため、出社の必要性は薄い。
にも関わらず、うちの上司・吉田課長(昭和の権化)は“顔を見せる文化”を崇拝していた。
「会話こそ最大の報連相!」
「挨拶ができないやつに仕事は任せられん!」
私は丁寧に交渉したつもりだった。
でも、その翌週、出社して驚いた。
自分のデスクに、他部署の人が座っていた。
荷物は段ボールにまとめられ、ロッカーの上に雑に積まれていた。
そして私は、誰にも理由を説明されなかった。
それでも私は、“怒らなかった”
もちろん、ムカついた。
でも感情で動くのは負けだと思った。
私は、自分のやった仕事の成果――数字・資料・評価メールなどをまとめた“1年分の実績ファイル”を作成した。
そして、そのPDFを持って、人事部長に直接提出した。
なぜか?
吉田課長は、部長に成果を横取り報告していたからだ。
どんでん返しは、金曜の全体朝礼でやってきた
月曜に提出したファイルは、人事部長から経営会議へまわされた。
「部下のマネジメント不備」として、取り上げられたらしい。
そして金曜の朝、全社共有ミーティングで、人事部長が突然こう言った。
「今週より、マーケティング部の吉田課長は地方支社に異動となります」
社内がざわつく中、私は無表情で拍手を送った。
なぜなら、その1分後、Slackで私宛にこう連絡が来たからだ。
「君の希望通り、リモート勤務を承認します。
席も戻しておいたから、いつでも使っていいよ。」
「言葉」で殴ってくる人には、「事実」で返す
結局、課長は“無言制裁”で私を追いやろうとした。
でも、職場はヤンキーの抗争じゃない。数字と実績の世界だ。
私は直接怒鳴らなかった。
逆に一言、「来週から来なくていいです」と言っただけ。
でもそれは、“辞めます”ではなかった。
「あなたのやり方にはもう付き合えません、だから私は正当な手段で戦います」という、静かな宣言だった。
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