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「退職するんだろ、引き継ぎするぞ」と言う上司→「ふざけないでください」と私が言い放った理由【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
退職の準備
ずっと我慢してきたものが、最後の最後で決壊してしまいました。
私が退職を決意したのは、今の職場での「当たり前」が、あまりにも自分の価値観とズレていたからです。残業は美徳、プライベートは二の次。
そんな空気感に疲れ果て、ようやく次の道への一歩を踏み出すことができました。
退職まであと数週間。
引き継ぎのスケジュールは自分なりに表にまとめ、すでに周囲へ共有済みでした。
あとは残りの期間を淡々と過ごし、静かに去るだけだと思っていた、ある日のことです。
その日は珍しく仕事が一段落し、定時ちょうどに帰宅しようと支度をしていました。
久しぶりに美容院の予約も入れていたので、少し浮足立っていたのかもしれません。
荷物をまとめ、パソコンをシャットダウンしたその瞬間、背後から無神経な声が響きました。
上司のありえない一言
「おい、もうすぐ退職するんだろ? ちょうどいい、今からじっくり引き継ぎをするぞ」
振り返ると、そこには当然のような顔をした上司が立っていました。
時計の針は定時を数分過ぎたところ。上司の手には、これから打ち合わせを始めようと言わんばかりの資料が握られていました。
その瞬間、私の中で何かがプツンと音を立てて切れました。
「……ふざけないでください」
気づけば、自分でも驚くほど冷ややかな声が出ていました。
上司は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして固まっています。
「何がふざけてるんだ、仕事の話だぞ」と不満げに返す上司に、私は続けました。
「私が作った引き継ぎ予定表には目も通さず、私が帰ろうとしているこの時間に、思いつきで仕事を振る。そうやって人の時間を平気で奪うところが、私が辞める一番の理由です。これ以上、私の大切な時間をあなたに使うつもりはありません」
上司にとっては、ほんのちょっとの延長のつもりだったのでしょう。
でも、この「相手への敬意の欠如」こそが、私にとっては耐えがたい苦痛だったのです。
「続きは明日の就業時間中にお願いします。失礼します」
そう言い残して、私は職場を後にしました。夜風を浴びながら、心の底から「辞めてよかった」と確信した夜でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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