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「体調悪いけど、頑張って出勤しました!」と豪語する新人。午後、新人が職場から消えていた理由【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
やる気はある新人
週明けの月曜日。
オフィスは朝から電話の音やキーボードを叩く音で活気にあふれていました。
そんな中、入社したばかりの新人が、少し自慢げな表情で私のデスクにやってきました。
「おはようございます!実は昨晩から熱があって体調が最悪なんですけど、新人の僕が休むわけにはいかないと思って、気合で出勤しました!」
彼の顔は真っ赤で、声も心なしかかすれています。
彼は「自分は責任感が強い」と言わんばかりの得意げな表情をしていましたが、私を含め、周囲の先輩たちの反応は冷ややかなものでした。
今の時代、無理をして出社することは美徳ではなく、むしろリスクでしかないからです。
「……無理しないで、早めに帰りなよ」と声をかけましたが、彼は「大丈夫です!頑張ります!」と一点張り。
そのまま、時折激しく咳き込みながら仕事を始めました。
正直なところ、周囲は「感染症だったらどうしよう」という不安と、集中を削がれる咳の音で、仕事どころではありませんでした。
消えた新人
事態が動いたのは、午後になってすぐのことでした。
ふと新人の席を見ると、先ほどまでいたはずの彼の姿がありません。
代わりに、厳しい表情をした課長がアルコール除菌のスプレーを手に、彼のデスクを隅々まで必死に拭いていました。
後から聞いた話では、あまりの体調の悪さに彼がふらつき、それを見かねた課長が別室に呼び出して詳しく事情を聞いたそうです。
「熱が何度あるんだ?」という問いに、彼は震えながら「38度5分です。インフルエンザの疑いもありますが、根性で来ました」と答えたのだとか。
その瞬間、温厚な課長が「今すぐ帰りなさい!」と一喝したそうです。
「頑張る方向が間違っている。君が職場でウイルスを広めることが、会社にとって一番の迷惑なんだ。本当の責任感があるなら、まずは自分の体調を管理して、周りに移さないように休みをとりなさい」
こっぴどく叱られた彼は、項垂れたまま病院へ向かい、そのまま職場から姿を消しました。
診断の結果は、やはりインフルエンザ。彼が去った後のオフィスでは、全員がマスクを付け直し、念入りに換気が行われました。
翌日から彼のデスクは数日間、空席のままでした。 彼が元気になって戻ってきたとき、「休む勇気」も立派な仕事のうちだと学んでくれていればいいなと、私はキーボードを叩きながら願うばかりです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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