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「お下がりの服なんて可哀想よ」と嫌味を言うママ友。だが、娘の放った一言に顔が引きつった【短編小説】

お下がりの服なんて可哀想よと嫌味を言うママ友だが娘の放った一言に顔が引きつった短編小説

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

お下がりを馬鹿にするママ友

私には、幼稚園に通う5歳の娘がいます。
子供の成長というのは本当に早いもので、買ったばかりの服があっという間にサイズアウトしてしまうこともしばしばです。

そんな我が家にとって、とても有難い存在なのが、少し年上の従姉妹がいる親戚です。
彼女の家は比較的裕福で、子供服もデパートに入っているような質の良いブランド品ばかり。
「捨てるのはもったいないから」と、いつも綺麗な状態でお下がりを譲ってくれるのです。

娘も「お姉ちゃんと同じフリフリの服!」と、そのお下がりをとても気に入って着ていました。
しかし、それを快く思わない人物が一人だけいたのです。

それは、幼稚園のバス停で一緒になる一人のママ友でした。
彼女は「子供には常に新品を与えるべき」という強いこだわりを持っており、いつも流行の服を着せているのが自慢でした。

ある日の午後、降園後の公園で遊んでいる時のことです。
そのママ友が、娘の着ているワンピースを見て鼻で笑うように言いました。

「あら、それまたお下がり? 生地はしっかりしてるけど、なんとなく古臭いデザインねぇ」

私は愛想笑いでやり過ごそうとしましたが、彼女は止まりません。

「子供なんてすぐ汚すんだから安物でいいのよ。でもね、やっぱり『自分だけのために買ってもらった新品』っていう喜びを与えてあげるのが親の愛情じゃない?お下がりの服なんて可哀想よ」

その言葉に、私は胸がチクリと痛みました。
節約のために無理をさせているつもりはありませんでしたが、「可哀想」と断言されると、母親として自信が揺らぎそうになります。

娘が放った一言

その時でした。
滑り台で遊んでいた娘が、喉が渇いたのか私たちの元へ走ってきました。
ママ友は娘に向かって、猫なで声でこう言ったのです。

「ねえ○○ちゃん。今度はママに、ピカピカの新しいお洋服を買ってってお願いしてみたら?」

娘はキョトンとしていましたが、次の瞬間、無邪気な笑顔でとんでもない一言を放ちました。

「えー? でも、おばちゃんの子は『いつも私のお洋服がうらやましい』って言ってるよ! おばちゃん、『すぐ着られなくなるから高い服はムダ!』って怒って、いつもセールの服しか買ってくれないんでしょ?」

その瞬間、ママ友の笑顔がピキリと音を立てて凍りつきました。 辺りに流れる、気まずい沈黙。

彼女は顔を真っ赤にして、「そ、それは教育方針で……!」と何やらモゴモゴと言い訳をしていましたが、娘の純粋すぎる追撃は止まりません。

「だからこの前も、本当は○○(アニメのキャラクター)の服が欲しかったのに、おばちゃんが『安売りしてたからこれにしなさい』って茶色の服買ってきたって、泣いてたよ?」

ママ友はついに言葉を失い、いたたまれなくなったのか「よ、用事を思い出したわ!」と言い残し、逃げるようにその場を去っていきました。

子供同士は、大人が思っている以上にいろいろなことを話しているものです。
「親の愛情=新品を買うこと」と説いていた彼女ですが、子供が本当に欲しがっているものよりも、自分の見栄や都合を優先していたことが露呈してしまったのでした。

私は、従姉妹のお姉ちゃんから譲り受けた素敵なワンピースの裾をパンパンと払いながら、「やっぱりこの服、とっても似合ってるよ」と娘に笑いかけました。娘は「うん! だってクルッて回ると広がるんだもん!」と嬉しそうに笑い返してくれました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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