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「もしもし!聞こえない!」と図書館で大声で電話する老人が、小学生の一言で黙り込んだワケ【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
注意されて逆ギレする老人
私はフリーランスで仕事をしており、静寂に包まれた近所の図書館を「聖域」として愛用していました。しかし、先日の出来事でその平和が一瞬にして崩れ去ったのです。
平日の昼下がり、いつもの窓際席で本を読んでいると、静寂を切り裂く大音量の着信音が鳴り響きました。顔を上げると、老人男性が悪びれもせず堂々と通話ボタンを押したのです。
「あぁ!? もしもし!聞こえない! もっと大きな声で喋ってくれ!」
館内に響き渡る怒鳴り声。
すぐに司書さんが駆け寄り、「館内での通話はご遠慮ください」と注意しましたが、老人は聞く耳を持ちません。
「なんだと! 耳が遠いんだから仕方ないだろう! 年寄りをいじめる気か!病院からの大事な電話なんだ!」
まさかの逆ギレです。自分の都合を押し付けて怒鳴り散らす姿に、周囲の人々も関わりたくないのか俯くしかありませんでした。私のイライラもピークに達した、その時です。
近くで宿題をしていた小学生くらいの男の子が、すっと立ち上がりました。男の子は老人の元へ近づくと、不思議そうな顔で、でもよく通る声でこう言ったのです。
男の子の純粋すぎる一撃
「ねえおじいちゃん。相手の声は聞こえないかもしれないけど、おじいちゃんの声はみんなに丸聞こえだよ。お尻の検査の話、全部聞こえちゃってるけど恥ずかしくないの?」
その一言に、張り詰めていた空気が一変。老人はハッとして周囲を見渡し、数十人の冷ややかな視線と忍び笑いにようやく気づいたのです。
「う、うむ……」
顔を真っ赤にした彼は、何も言い返せず、逃げるように図書館を出ていきました。
「ふぅ、やっと静かになった」
男の子は何事もなかったように席に戻り、再び鉛筆を動かし始めました。
あっぱれな男の子の勇気と痛烈な一撃に、私は心の中でスタンディングオベーションを送りました。年齢を言い訳にせず、マナーを守る大切さを改めて教えられた、スカッとする出来事でした。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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