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「今どこ?」束縛LINEが止まらない彼氏。私が送ったある場所の写真で、彼氏が沈黙した理由【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「愛情」という名の支配
付き合って半年になる彼は、自他ともに認める心配性です。最初は「愛されているんだな」と嬉しく感じていましたが、その愛情表現は次第にエスカレートし、いつしか常軌を逸した束縛へと変わっていきました。
私のスマホは、朝から晩まで彼からの通知で震えっぱなしです。仕事中だろうが友人と食事中だろうが、彼の「確認」は止まりません。
『今どこ?』
『既読スルーすんなよ』
『ごめん、仕事中だったの』
『本当に?証拠の写真送って』
こんなやり取りが日常茶飯事でした。少しでも返信が遅れると着信の嵐。私は次第に、スマホの通知音が鳴るたびにビクリと肩を震わせるようになってしまったのです。
それでも「私が不安にさせているのが悪いんだ」と言い聞かせ、彼の要求に応え続けていました。
理不尽な支配が終わった瞬間
そんなある週末のことです。彼は「急な休日出社が入ったから会えない」と言いました。女の勘、というやつでしょうか。私は妙な胸騒ぎを覚え、彼に内緒である場所へ向かいました。
そこは、以前私の友人が「彼氏に似た人を見た」と言っていた、隣町の大型ショッピングモールでした。
案の定、彼はいました。仕事のはずの彼が女性と腕を組んで、楽しそうに映画館のチケット売り場に並んでいたのです。
怒りよりも、サーッと血の気が引くような冷めた感情が湧き上がってきました。
その時です。私のスマホが震えました。彼からです。
『仕事やっと休憩。マジ疲れたわー』『お前、今家だよな?』『今すぐ部屋の写真送って』
目の前で女性と笑い合っている男が、指先だけで私を支配しようとしている。その滑稽さに、私は思わず笑ってしまいそうになりました。
私は震える指を抑えながら、カメラを起動しました。 私の視線の先にいる、女性と腕を組んだ彼氏の後ろ姿をパシャリ。
送信ボタンを押すと、数メートル先で彼のポケットが震えるのが見えました。彼は面倒くさそうにスマホを取り出し、画面を見つめます。
その瞬間、彼の方の動きがピタリと止まりました。
『お仕事お疲れ様』 『後ろ、見てみて?』
彼が弾かれたように振り返り、私と目が合いました。その顔色は、これまで見たこともないほど真っ青でした。
私はニッコリと手を振り、そのまま彼に背を向けて歩き出しました。
あれほどうるさかったLINEの通知音は、それきり一度も鳴ることはありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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