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「飲み会も仕事のうちだ」と二次会を強要する課長。だが、社員のある一言で黙り込んだ理由とは【短編小説】

終わらない飲み会
私の勤める部署には、少し困った課長がいます。「昭和の営業マン」を自称する彼は、とにかく飲みニケーションが大好き。もちろん、部下との交流は大切ですが、彼のそれは度が過ぎていました。
ある火曜日の夜のことです。歓送迎会の一次会が終わり、時計の針はすでに22時半を回っていました。
誰もが「やっと帰れる」と安堵の表情を浮かべ、駅へ向かおうとしました。しかし、赤ら顔の課長が仁王立ちで立ちはだかったのです。
「おいおい、どこへ行く気だ? 次の店予約してあるぞ!」
ある先輩が恐る恐る、「すみません、明日は早いですし、子供も待っていますので……」と断りを入れようとしました。すると、課長の機嫌が一気に悪化しました。
「これだから最近の若いのは! 飲み会も仕事のうちだ」
店先に課長の大声が響き渡りました。全員が諦めて二次会へ向かおうとした、その時でした。
沈黙を破った若手社員の正論
普段は大人しい、入社2年目の若手男性社員がスッと手を挙げたのです。彼はスマホの画面を課長に見せながら、淡々と言い放ちました。
「課長、仕事ということなら、すべて『深夜残業』として勤怠をつけていいんですね? 労働基準法上、22時以降は割増賃金になりますけど、経理への申請は課長の名前で通しておいてくれますか?」
その場が静まり返りました。 もし「仕事だ」と認めれば、ここにいる全員分の深夜残業代が発生します。当然、そんな予算が認められるはずもありません。かといって「仕事じゃない」と言えば、強制する権利はなくなります。
課長は口をパクパクさせ、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。論理的なカウンターパンチに、反論の余地がなかったのです。
「……いや、みんな疲れてるみたいだな! 今日は解散!」
駅へ向かう課長の後ろ姿を見送りながら、私たちは顔を見合わせてガッツポーズをしました。あの夜の帰り道、みんなで食べたコンビニアイスは、最高に美味しかったです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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