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「親の面倒くらい見ろよ」と何もしない弟。介護費用を請求したら、弟からの連絡が途絶えたワケ【短編小説】

親の面倒くらい見ろよと何もしない弟介護費用を請求したら弟からの連絡が途絶えたワケ短編小説

介護をしない弟の言い分

私は夫と二人で穏やかに暮らしていました。しかし、その平穏は父が脳梗塞で倒れたことで一変します。幸い命に別状はありませんでしたが、在宅での介護が必要な状態になってしまったのです。

母はすでに他界しており、介護の負担はすべて長女である私にのしかかりました。

私には弟がいます。実家の近所に住んでいるのに、父の見舞いにすら来ません。「仕事が忙しい」が口癖ですが、SNSを見れば週末はゴルフや飲み会の投稿ばかり。

私は仕事と介護の両立で睡眠時間すら削っているのに、弟は自由を謳歌していたのです。

ある日、疲労の限界を迎えた私は弟に電話をかけました。

「週末だけでいいから、手伝いに来てくれない? 私も仕事があるし、もう体力が持たないの」

すがるような思いで伝えた言葉に対する弟の返答は、耳を疑うものでした。

「はあ? 親の面倒くらい見ろよ。長女だろ? 俺は長男として家の跡を継ぐんだから、下の世話なんてできないね」

弟は鼻で笑ってそう言い放ちました。その瞬間、私の中で何かが「プツン」と切れる音がしました。怒りを通り越して、冷徹な思考が頭を支配していきます。

「わかった。介護は全部私が見る。その代わり、後悔しないでね」

私はその夜、これまでにかかった医療費、消耗品費、そして私が費やしてきた時間をヘルパーの相場で換算した「介護労働費」。これらを合算し、弟が支払うべき「折半額」を算出したのです。その額、数百万円。

「労働を提供しないなら、資金を提供して。これが長男の責任よ」というメッセージと共に、請求書画像をLINEで送りつけました。

弟は即座に私をブロックし、着信拒否をして逃げました。

弟にとって「長男のプライド」とは、親の金や家を継ぐ権利のことであり、介護や金銭的負担といった義務は含まれていなかったのです。

責任を突きつけられた途端、金を払いたくない一心で姉との縁を切ろうとした。これが、あんなに偉そうにしていた弟からの連絡がプツリと途絶えた、情けない理由でした。

しかし、私はすぐに弁護士に依頼し、弟の自宅に内容証明郵便を送りました。

「支払いに応じない場合、法的措置をとる。また、今後の遺産相続についても寄与分を考慮する」という旨の通知です。

姉の本気に弟が崩れ落ちた日

効果はてきめんでした。郵便が届いた翌日、弟が血相を変えて実家に駆け込んできたのです。どうやら郵便を奥さんに見られ、父の世話を放棄していたことがバレて激怒されたようでした。

「姉さん、悪かった! 話し合おう!」

インターホン越しに必死に叫ぶ弟。私はモニターを見ながら冷ややかに告げました。

「あら、弁護士を通してくださいな。あなたの言う通り、長女としてしっかり親の面倒を見ている最中なの。忙しいから帰ってくださる?」

そう伝えて、通話を切りました。

その後、観念した弟からは分割での支払いと、実家の相続放棄を約束する書面が届きました。「長男」というプライドだけで生きてきた弟が、現実の重みに潰された瞬間でした。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

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