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「うちの子に残業させるな」新卒の母が職場へ乱入→新卒が語った残業の理由に母だけが沈黙した【短編小説】

うちの子に残業させるな新卒の母が職場へ乱入→新卒が語った残業の理由に母だけが沈黙した短編小説

静かなオフィスに響く母の怒号

私の勤める会社は、業界内でも「ホワイト企業」を目指して改革中で、残業管理にはかなり厳しいんです。そんなある日の夕方、まさかの事件は起きました。

定時を三十分ほど過ぎ、まばらに社員が残る静かなオフィスに、突然「バン!」というドアが壁にぶつかる大きな音が響き渡りました。入り口に立っていたのは、見知らぬ中年の女性。

「ちょっと!うちの子の上司はどこ!?責任者を出しなさいよ!」

フロア中の視線が突き刺さる中、女性は、今年入社したばかりの男性新入社員のお母様だと判明しました。

「毎日毎日遅くまで残業させて!うちの子に残業させるな!過労で倒れたらどう責任とるのよ!」と、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす女性。私は教育係として慌てて対応に入りました。

「お母様、落ち着いてください。当社では無理な残業は…」と説明しようとしても、女性の剣幕は凄まじく、全く聞く耳を持ちません。

息子が放った一言で訪れた静寂

そこへ、ちょうど席を外していた新入社員くんが戻ってきました。
仁王立ちする母親の姿を見るなり、彼の顔からサーッと血の気が引いていくのが分かりました。

「母さん…なんでここに…」

「あんたが心配だから来たんでしょう!連絡もよこさないで!さぁ帰るわよ!」

無理やり腕を掴んで連れ帰ろうとする母に、彼は必死で抵抗します。

「違うんだよ母さん!俺は残業なんかさせられてない!」

彼の必死な叫び声に、オフィスが一瞬静まり返りました。母親も腕を掴んだままキョトンとしています。

「は?じゃあ毎日遅くまで何してるのよ。会社にいるんでしょ?」

彼はバツが悪そうに視線を彷徨わせ、社員全員が聞き耳を立てる中、蚊の鳴くような声で言いました。

「…家のネットより会社のWi-Fiの方が速いから…隠れてスマホでオンラインゲームしてただけだ…家に帰ると母さんが色々干渉してきてウザいし…帰りたくなかったんだよ」

その瞬間、あんなに勢いの良かったお母様が、パクパクと口を開閉させた後、みるみるうちに耳まで赤くなり、完全に沈黙しました。「ブラック企業による搾取」を訴えに来たはずが、まさか息子が「親がウザいから会社の回線でゲームをしていた」なんて、夢にも思わなかったはずです。

結局、逃げるように息子を引きずって帰っていきました。過保護な親心も大変ですが、会社の設備でゲームをして残業を装うのも、別の意味で大問題です。

明日出社したら、彼にはたっぷりお説教をしなくてはなりません。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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