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夫の通帳から毎月消える10万円。「パパ、来てくれたんだ!」尾行してわかった…別の家族の影【短編小説】
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通帳に刻まれた、謎の10万円
私はごく普通の主婦として、平凡だけれども幸せな毎日を送っていると、ずっと思っていました。あの日、夫の通帳を開いてみるまでは……。
ことの始まりは、家計の見直しでした。軽い気持ちで、夫名義の通帳を久しぶりに記帳してみたんです。パラパラとページをめくっていくと、ある異変に気がつきました。
毎月きっかり「10万円」が、どこかへ送金されているんです。
「あなた、この10万円って、何のお金?」
帰宅した夫に尋ねても、「ああ、ちょっと投資を始めたんだ」と目をそらします。でも、送金先は投資会社ではなく、個人の名前のように見えました。
それ以上問い詰めても、「任せておいてくれ」「男には色々あるんだ」と、はぐらかされるばかり。
その日から、夫のすべてが疑わしく見え始めました。私の心は、言いようのない不安で黒く塗りつぶされていきました。
そして、運命の土曜日がやってきました。
夫の裏切り
夫が「ちょっと友人と会ってくる」と、そそくさと出かけていきました。いつもと違う、妙にそわそわした様子に、私の胸騒ぎは頂点に達しました。
私は、急いで着替えると、気づかれないように夫の後を追いました。
電車を乗り継ぎ、着いたのは隣の市にある、静かな住宅街でした。夫は慣れた足取りで公園に入っていきます。
どうしよう、とためらう私。
物陰からそっと見ていると、夫はベンチに座っていた女性と小さな女の子のもとへ歩み寄りました。
その瞬間、女の子が夫に駆け寄り、満面の笑みで叫んだのです。
「パパ、来てくれたんだ!」
夫は、私には見せたことのないような優しい顔で、その子を高く抱き上げました。隣の女性も、幸せそうに微笑んでいます。
頭を鈍器で殴られたような衝撃でした。
あの10万円は、この親子への仕送りだったんだ……。
「パパ」と呼ばれる夫。楽しそうな三人の笑い声。それは、私のまったく知らない、夫のもう一つの「家族」の姿でした。
私はその場で動けなくなり、ただ遠くからその光景を見つめていることしかできませんでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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