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「うるさい若者を注意してやったよ!」と誇る夫が動画で晒されて炎上!?実は…【短編小説】

うるさい若者を注意してやったよと誇る夫が動画で晒されて炎上実は短編小説

夫の武勇伝

「ただいま! いやー、今日さ、電車でうるさい若者を注意してやったよ!集団でうるさかったな〜」

ある日の夜、帰宅した夫が少し興奮した様子でそう切り出しました。

「へえ、お疲れ様」

私は夕食の準備をしながら、いつもの「武勇伝」が始まったな、と半ば聞き流していました。夫は昔から曲がったことが嫌いなタイプ。とはいえ、最近は物騒な事件も多いので「あんまり関わらない方がいいんじゃない?」と、少しだけ心配もしていました。

まさか、その「武勇伝」がとんでもない事態を引き起こすとは、この時は思いもしませんでした。

拡散された動画

翌日の午後、スマホを触っていると、友人からメッセージが届きました。

「これ、旦那さんじゃない?」

添付されたリンクを開くと、そこにはSNSで拡散されている短い動画が。

「老害、若者に絡む」「正義マン(笑)の末路」

そんな刺激的な言葉と一緒に映っていたのは、紛れもなく、昨日とは打って変わって険しい表情で若者に詰め寄る夫の姿でした。

動画は夫が一方的に若者を怒鳴りつけているように見えます。コメント欄は「言い方がひどい」「どっちが迷惑なんだか」「晒されて当然」といった非難の嵐。

いわゆる「炎上」という状態でした。

あっという間に夫の顔や、一部の心ない人によって(おそらく過去の投稿などから)特定された職場らしき場所まで晒され、夫はすっかり憔悴してしまいました。

でも、私だけは知っていました。その動画には映っていない、夫が本当に伝えたかったことを。

夫が言うには、その若者たちは、ただ騒いでいたわけではなかったそうです。優先席に座っていたおばあさんのすぐ隣で、わざと音を立ててお菓子を食べ、床にポロポロと食べかすをこぼし、笑い合っていたとのこと。

おばあさんが困った顔で何度も咳払いをしても、彼らは無視していました。

夫はそれを見て、最初は我慢していたそうですが、ついに「君たち、おばあさんが困っているだろ。やめなさい」と声をかけました。

動画は、その直後、逆上した若者が「は? 証拠あんの?」とスマホを向けたところから始まっていたのです。

もちろん、夫もカッとなってしまい、動画に映っていたような強い口調になったのは良くなかったのかもしれません。

でも、一部分だけを切り取った動画が「真実」として拡散されていく様子に、私は心底ぞっとしました。

何が正しくて、何が間違っているのか。スマホひとつで簡単に「悪者」が作れてしまう時代に、私たちは何を信じればいいのでしょうか。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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