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ツーリズムEXPOでグアムのチャモロ料理を堪能!メニュー監修シェフにインタビュー
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旅行と観光の魅力が一堂に会する、国内最大級のイベント「ツーリズムEXPOジャパン」。今年のグアムブースでは、現地の伝統料理「チャモロ料理」を味わえるフードトラックが登場し、本場の味を求めて多くの来場者が列をなしていました。
今回、筆者もツーリズムEXPOジャパンに参加し、グアム本場のチャモロ料理を堪能!フードトラックのメニューを監修したシェフにもインタビューを行い、料理に込めた思いや、グアムならではの食文化についてお話を伺ってきました。
グアムのフードトラック「Manggi(マンギ)」号がEXPOに登場!

日本各地のイベントでグアム本場の味を届けてきたフードトラック「Manggi(マンギ)」号が、今回「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」のグアムブースに登場しました。
「Manggi(マンギ)」は、チャモロ語で「美味しい」という意味。その名の通り、グアム現地のシェフが監修したレシピをもとに、グアム政府観光局の公式フードトラックとして伝統的なチャモロ料理を提供しています。
実は現在、日本でチャモロ料理を味わえるお店はなく、グアムの味を体験できるのは、この「Manggi(マンギ)」号だけ。とても貴重な機会です!
メニューはバーガー・BBQ丼・スペアリブの3種類

今回「Manggi(マンギ)」号で提供されていたメニューは、どれもグアム本場の味が楽しめるラインナップです。
まず一品目は、牛肉100%のパティに甘じょっぱい特製ソースを合わせた「チャモロ ディナンシェバーガー」。二品目は、チャモロ料理の代表格であるレッドライスにチキンをのせ、醤油ベースのフィナデニソースを添えた「チャモロ BBQ丼」。三品目は、チャモロ料理に欠かせないスパイス・アチョーテが香る「チャモロスペアリブ」です。
どのメニューもボリュームたっぷり。本場グアムの味をワンコイン(500円)で気軽に味わえるのも魅力です。
チャモロ料理が盛りだくさんの「BBQ丼」を実食

今回は、グアム伝統の味がぎゅっと詰まった「チャモロ BBQ丼」をチョイス。グアムの代表的な料理であるレッドライスの上にチキン・レタス・にんじん・大根・きゅうりが添えられています。全体的にさっぱりとした香りが広がり、見た目も彩り豊かです。

こちらが、チャモロ料理の定番メニュー「レッドライス」。レッドライスは、アチョーテ(ベニノキの実)の汁で炊き上げた、鮮やかなオレンジ色のご飯。グアムの村祭りや家庭の食卓には欠かせない一品だそうです。味は控えめでさっぱりしており、香り・味ともに玄米に似ていました。

ゴロっと大きめにカットされたチキンは、見た目にも食欲をそそります。ひと口頬張ると、そのやわらかさにビックリ。しっとりジューシーで、食べごたえも抜群です。
味付けには、チャモロ料理でおなじみのBBQソース「フィナデニソース」が使われています。醤油のうま味に、酢やレモン汁のさわやかな酸味、玉ねぎの自然な甘みが絶妙にマッチ。日本人の口にもよく合い、チキンやレッドライスとの相性も抜群です。

野菜はお酢が利いており、パリパリとした食感とカラフルな彩りが良いアクセントになっています。グアムの家庭で親しまれている伝統の味を、日本にいながら気軽に楽しめる一品でした!
フードトラックメニューの監修シェフにインタビュー
フードトラック「Manggi(マンギ)」号が届けるのは、まさにグアムの本場の味。その美味しさの秘密を探るべく、今回のメニューを監修した現地シェフ・ケーシーさんにお話を伺いました。
ケーシーさんは、チャモロ料理レストラン「キャピトルキッチン」のオーナーでもあり、「グアム料理をもっと海外に広め、いつか日本でもレストランを開きたい」と語ります。
そんなケーシーさんに、チャモロ料理ならではの特徴や魅力を詳しく教えていただきました。
──チャモロ料理の特徴について教えてください。
チャモロ料理の大きな特徴は、グアムの自然の恵みを存分に活かしている点です。たとえば、薪や炭火を使った伝統的な調理法や、太陽の力を利用した保存方法、そしてココナッツや海の幸といった自然資源の活用などが挙げられます。
魚介料理が豊富で、バーベキューもグアムではとてもポピュラーです。なかでも「トング」と呼ばれる木材を使ってバーベキューを楽しむのが、チャモロ料理ならではのスタイルです。
また、グアムの料理は濃厚な味わいと旨みのバランスが絶妙で、他にはない個性があります。私は20年以上世界各地を旅してさまざまな料理を学んできましたが、グアムの料理はその中でも特にユニークだと感じています。太平洋地域独特の食文化が融合している点も、チャモロ料理の大きな魅力です。
──家庭の食卓には、チャモロ料理がよく並ぶのでしょうか?
グアムの人々は、本当に料理が大好きです。チャモロ料理は手間のかかる工程が少なく、家庭でも6〜8割の頻度で自炊が行われています。
グアムでは昔からバックヤード(裏庭)を持つ伝統文化があり、薪を使って火を起こし、料理やバーベキューを楽しむスペースがあります。また、水などの自然資源も上手く活用されています。
料理を作ったり、家族や友人と一緒に食事を楽しんだりすることは、グアムでとても大切にされている習慣です。大家族社会の文化が根付いているグアムでは、大皿料理をたっぷり作り、みんなで取り分けて楽しむスタイルが主流です。こうして食卓を囲む時間が、家族との絆を深める大切なひとときになっています。
──今回のフードトラックメニューを監修する上でどのような工夫をされましたか?
今回フードトラックで提供しているメニューは、そんなチャモロ料理の魅力を詰め込んだ「チャモロ弁当」のような内容になっています。
ただ、日本では食材の輸入規制がとても厳しく、グアムから持ち込めない食材も多くあります。そこで今回は、日本国内で手に入る食材だけを使い、できるだけ現地の味や食文化が感じられるメニューを考えました。
私は三代続く農家の家に生まれ、子どもの頃から自分たちで育てた野菜を使うのが当たり前でした。私のレストラン「キャピタルキッチン」でも、自社農場の新鮮な野菜やハーブを積極的に使っています。
今回もそうした経験を活かして、現地調達の食材でシンプルかつ再現性の高い料理を目指し、どなたでもグアムらしい雰囲気や味わいを楽しめるよう工夫しました。
──チャモロ料理でよく使用される食材について教えてください。
チャモロ料理の特徴的な食材のひとつが、レッドライスに使われる「アチョーテ(ベニノキの実)」です。種を取り出し、水と油でこすって赤い色素を抽出し、料理に鮮やかな赤色と独特の風味を加えます。また、独特な酸味が特徴の柑橘「カラマンシー」も、伝統的なマリネ料理であるケラグエンに欠かせない存在です。
チキンケラグエンやバーベキューを作る際には、「タン」や「トング」といった特別な木材を使って炭火焼きにします。この木材を使うことで、香りや風味にグアムらしい個性が生まれます。
そのほか、ココナッツもグアムの食卓では頻繁に登場します。グアムではココナッツの熟度を細かく管理し、料理によって使い分けます。たとえば、熟したココナッツはココナッツミルク作りに最適ですが、油分が多いため冷製料理には使われません。
このように、チャモロ料理はグアムの自然の恵みを存分に活かした食材選びと使い分けが魅力です。現地の伝統や知恵が息づく一皿一皿から、グアムならではの食文化を感じられるでしょう。
──今後、日本でもグアム料理のレストランを開く予定はありますか?
日本は私にとって特別な場所で、料理のクオリティも本当に素晴らしいと感じています。毎月訪れるたびに、日本の食文化を味わうのが楽しみです。
私の目標のひとつは、もっと多くの方にグアム料理の魅力を知っていただくこと。将来的には、日本をはじめ海外へグアム産の食材を輸出し、多くの方に本場のグアム料理を味わっていただきたいと考えています。そのために、現在はグアム政府観光局と連携し、食材の認可取得などを進めているところです。
プロのシェフとして、これまでの経験や知識を日本の皆さんと分かち合いたいですし、いつか日本でグアム料理のレストランを開きたいと思っています。
「Manggi(マンギ)」号で感じたグアムの食文化とシェフの情熱

普段、日本ではなかなか味わえないグアムのチャモロ料理を、「Manggi(マンギ)」号で気軽に楽しめるのは、とても価値のあるひとときでした。
監修シェフ・ケーシーさんのお話からは、グアムの自然の恵みを大切にする食文化や、みんなで食卓を囲む温かい暮らし、そしてグアム料理を日本に広めたいという情熱が伝わってきました。
また、どこかで「Manggi(マンギ)」号を見かけた際は、ぜひグアム伝統の味を楽しんでみてください!
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