MENU

Share

「共働きなんて子どもが可哀想」と見下したママ友。だが夫のリストラで赤っ恥、自ら働く羽目に【短編小説】

共働きなんて子どもが可哀想と見下したママ友だが夫のリストラで赤っ恥自ら働く羽目に短編小説

共働きを馬鹿にする女性 

私の名前は陽菜(ひな)です。夫と共働きで、小学生の息子を育てています。
仕事と家庭の両立は大変な時もありますが、自分らしくいられる大切な時間だと思っています。

しかし、そんな私の価値観を真っ向から否定する人がいました。
息子の同級生の母親である、麗華(れいか)さんです。
彼女は専業主婦で、いつも高級そうな服に身を包み、旦那さんの会社の地位が自慢のようでした。

ある日の公園でのことです。
私が仕事帰りに息子を迎えに行くと、他のママさんたちと談笑していた麗華さんが、私に気づいてわざとらしく大きな声で言いました。
「陽菜さん、お仕事お疲れ様。でも、やっぱり子どもが小さいのに共働きって、可哀想よねえ。愛情が不足しちゃうんじゃないかしら。うちは主人が『女は家庭を守るべきだ』って考えだから、助かるわ」

その言葉は、棘のように私の胸に突き刺さりました。
周りのママさんたちも気まずい顔をしています。私は何も言い返せず、悔しさを噛み殺してその場を離れました。

一年後の変わり果てた姿とは

それから一年ほど経った頃です。
麗華さんの姿をぱったりと見かけなくなりました。噂では、旦那さんの会社が経営不振に陥ったとか…。

そんなある日、私が近所のスーパーで買い物をしていると、パート募集の張り紙の前で、必死にメモを取っている女性がいました。
やつれた様子のその女性は、紛れもなく麗華さんでした。
以前の華やかな雰囲気は見る影もありません。

後日、別のママ友から聞きました。
麗華さんの旦那さんは、会社の業績悪化でリストラされてしまったそうです。
今まで専業主婦としてのプライドを振りかざしていた彼女が、家計を支えるために、慣れない仕事を探し回っているとのことでした。

先日、そのスーパーのレジで働く麗華さんを見かけました。
私に気づいた彼女は、気まずそうに目を伏せ、小さな声で「…いらっしゃいませ」と言うのがやっとでした。
私は何も言わず、いつも通りに会計を済ませました。
彼女を見下す気持ちは、不思議と湧き上がってきませんでした。
人の価値観はそれぞれですが、他人の生き方を軽々しく否定するものではない。そして、人の状況なんて、いつどう変わるか分からない。
私は会計を終えた商品を袋に詰めながら、そんな当たり前のことを、改めて噛みしめていました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

 

他のおすすめ短編小説

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

おすすめ記事

Ranking