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親戚に「子どもの習い事に金かけすぎ」と言われた私。数年後、その人の子が学力差に苦しんでた【短編小説】

親戚に子どもの習い事に金かけすぎと言われた私数年後その人の子が学力差に苦しんでた短編小説

親戚の集まり、叔母のある一言

私の名前は美咲(みさき)です。
数年前、まだ息子の翔太(しょうた)が小学校に上がったばかりの頃、親戚の集まりでの出来事です。

私が「翔太が最近、英語のレッスンを楽しいって言うの」と話したのがきっかけでした。
それを聞いていた叔母の良子(よしこ)さんが、少し呆れたような顔で言いました。

「美咲ちゃん、翔太くんにそんなに習い事させてるの? 英語にピアノに…お金かけすぎじゃない? 子どもは元気に外で遊んでるのが一番よ。正直、親の見栄に付き合わせちゃって、可哀想だわ」

叔母の言葉は、私の心を鋭くえぐりました。
見栄なんかじゃない。
翔太が「やってみたい」と言ったから、その可能性を応援したいだけなのに…。
しかし、価値観の違う叔母に反論しても無駄だと思い、私は「本人が楽しんでるので」とだけ返して、その場は穏便に済ませました。

ため息をつく叔母

それから、数年が経ちました。
翔太は変わらずレッスンを続け、特に英語は得意科目になっていました。

先日、法事で久しぶりに良子叔母さんと顔を合わせました。
叔母は以前の快活な様子とは違い、深いため息をついていました。そして、私にそっと打ち明けてきたのです。

「実は、うちの大輝(だいき)が…学校の勉強に全然ついていけなくて…。特に英語なんて、ちんぷんかんぷんみたいで」

同じ学年の大輝くんは、授業の内容が難しくなるにつれて、すっかり自信を失くしてしまったと。
「周りの子はみんな塾とか行ってて、どんどん差が開くばかりで…。あの子、最近『学校行きたくない』なんて言うのよ」

教育方針に正解はないと学んだ

そう語る叔母の目には、涙が滲んでいました。
「あの時、美咲ちゃんみたいに、何かやらせてあげれば良かったのかしらね…。今からじゃ、もう追いつくのは難しいのかしら…」

叔母のやつれた顔を見ていると、私は「だから言ったじゃない」なんて気持ちには到底なれませんでした。
教育方針に絶対の正解はありません。でも、子どもの「好き」や「やってみたい」という気持ちの芽を、大人の価値観だけで判断してしまうことの重さを、私は叔母の弱々しい背中から、改めて学んだ気がしました。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

 

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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