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「嘘でしょ、またゼロから!?」レジで小銭を数え直す客と、微動だにしない店員。仕事帰りのスーパーで削られた私の気力

「嘘でしょ、またゼロから!?」レジで小銭を数え直す客と、微動だにしない店員。仕事帰りのスーパーで削られた私の気力

見えないゴールと小銭の音

残業明けの重い足を引きずり、ようやくたどり着いた近所のスーパー。

(はやくお風呂に入って、泥のように眠りたい……)

頭の中はそれだけでいっぱいだった。惣菜の入ったカゴを提げて、私はレジの最後尾についた。

目の前にいるのは、年配のお客様がひとりだけ。すぐに自分の番が来るだろうと思っていた。

「1250円のお買い上げです」

レジ係の事務的な声が響き、年配の方はゆっくりとした動作で財布の口を開いた。ここまでは日常のありふれたワンシーンだ。しかし、ここから思いがけない試練が待っていた。

「ごめんなさいね、小銭を整理したいのよ」

そう呟きながら、硬貨を一枚、また一枚と、気の遠くなるようなペースで釣り銭トレイに乗せ始めたのだ。

「10、20、30……あれ、わからなくなっちゃったわ」

チャリン、という音と共に手が止まる。そしてあろうことか、トレイ上の硬貨をすべて財布に戻してしまったのだ。

(……嘘でしょ、またゼロから!?)

絶望的な思いを抱える私の前で、再び10円玉がトレイに置かれた。一刻も早く帰路につきたい私の願いとは裏腹に、時間だけが残酷に削られていく。

「10、20……あらやだ、これ50円じゃないの」

再びフリーズする年配客。

ふと背後に気配を感じて振り返ると、いつの間にか長蛇の列ができていた。スマホの画面を険しい顔で見つめる人、苛立ち紛れに靴の踵を鳴らす人。周囲の空気は明らかにピリついていた。

私は「誰にでもこういう時はある」と、どうにか己の感情をなだめていた。

石像と化したレジ係への疑問

「500、600……」

相変わらず、スローモーションのような小銭のカウントは続いている。

助けを求めるように店員へ視線を送った私は、我が目を疑った。店員はただ手持ち無沙汰に、ぼんやりと手元を見つめて直立不動を貫いていたのだ。

(いや、そこでただ眺めているだけ!?)

「こちらで計算いたしましょうか?」

「あと〇〇円ですよ」

いくらでも声かけのしようはあるはずだ。店員は急かすわけでも、優しくサポートするわけでもなく、ただただ小銭がすべて出てくるのを静観している。

「これで、足りるかしら」

「1250円、確かに頂戴いたしました」

どれほどの時間が経っただろうか。ようやく一人分の決済が完了した。

お客様が自分のペースで支払いたいという気持ちは尊重すべきだが、全体の状況を把握し、臨機応変にサポートに入るのも店員の重要な役割ではないのだろうか。

いざ自分の会計が始まった時、私はすでに一日のエネルギーをすべて使い果たしていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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