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「運転手がわざと遠回りした!」とタクシーで怒鳴る男。だが、ドライブレコーダーを見てみると…【短編小説】

「運転手がわざと遠回りした!」とタクシーで怒鳴る男。だが、ドライブレコーダーを見てみると…【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
結婚式の帰り道
あの日、私たち夫婦は友人の結婚式の帰りでした。
夫は少しお酒が入っていて、タクシーに乗るなりスマホのゲームに夢中でした。
夜の道は少し混んでおり、いつもの帰り道とは違う景色が窓の外を流れていました。
私がぼんやりと外を眺めていると、突然、隣に座っていた夫が大きな声を出したのです。
「おい!さっきからわざと遠回りしてるだろ!ぼったくる気か!」
突然の怒声に、私は心臓が跳ね上がりました。
「恥ずかしいからやめて」と慌てて袖を引っ張りましたが、夫の怒りは収まりません。
「俺はこの辺りの道をよく知ってるんだ! なんでさっきの交差点を真っ直ぐ進まなかった!」
運転手さんは冷静に、「申し訳ございません。カーナビの指示通り、最短ルートを走っております」と答えてくれました。
しかし夫は、「嘘をつけ!ドライブレコーダーを見せろ! 証拠があるだろ!」とさらに詰め寄ったのです。
運転手さんは安全な路肩に車を停めると、前方のモニターを操作して、直前の映像を再生してくれました。
「これで不正がバレるぞ」と勝ち誇った顔で画面を覗き込む夫。
映っていたのは
しかし、そこに映っていたのは予想外の光景でした。
映像の中では、夫が主張していた交差点の入り口に、赤く光る看板が立っていました。
そこには大きく『水道管破裂のため全面通行止め』と書かれています。
さらに、警備員さんが迂回するように大きく手を振る姿もバッチリと映っていました。
夫はずっとゲーム画面ばかりを見ていて、目の前の大きな看板にも警備員さんにも、まったく気づいていなかっただけなのです。
狭い車内に、なんとも言えない気まずい沈黙が流れました。
「……あ、そう」
夫は顔を真っ赤にし、消え入るような声でそれだけ言うと、すっかり黙り込んでしまいました。
私はいたたまれなくなり、「本当に申し訳ありませんでした」と運転手さんに何度も平謝りしました。
その後は一言も会話がないまま無事に自宅へ到着。私は多めに運賃をお支払いして、逃げるようにタクシーを降りました。
いつも偉そうな夫の、あの時の小さくなった背中と真っ赤な耳は、今でも私の脳裏に焼き付いています。
これを機に、少しは自分の態度を改めてほしいものです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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