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「水!早くしろ!」と威張り散らす常連客。後日、常連客が奥様と来店した姿を見て、スカッとしたワケ

「水!早くしろ!」と威張り散らす常連客。後日、常連客が奥様と来店した姿を見て、スカッとしたワケ

威張り散らす常連客

これは私が2年前、飲食店で働いていた頃の話。

当時、私にはどうしても苦手なお客様がいました。

決まってランチのピーク時、目が回るほど忙しい時間帯にやってくる一人の男性客です。

席に着くやいなや、店中に響き渡る怒号。

「おい、遅えよ!」

「水!早くしろ!」

こちらが忙しいのを知っていて、わざとやっているかのような態度。

「店員は客に言い返せない」と分かって楽しんでいる、まさに王様気取りの振る舞いでした。

「すみません、ただいま……」

頭を下げつつも、心の中はモヤモヤ。理不尽なストレスを抱える日々。

奥様と来ていた客

ところがある日、転機が訪れます。

その常連客が、珍しく奥様らしき女性とご来店。

「いらっしゃいませ!」と迎えた私が目にしたのは、信じられない光景でした。

いつもの威勢はどこへやら。

背中を丸め、常に奥様の顔色をうかがう、小さくなったおじさんの姿。

「あ、あのさ、何食べる……?」

おずおずと話しかける彼。しかし、奥様はメニューを見る素振りすら見せません。

「…………」

返事はおろか、視線すら合わせず、無言でスマホを操作し続ける奥様。

彼がメニューを開いて見せようとしても、完全無視。

凍り付くような空気の中、文句を言うどころか、さらにへこへこと機嫌を取ろうと必死な彼。

その瞬間、私の中でパズルが組み合わさるようにすべてが腑に落ちました。

(ああ、なるほど……)

「あのいつもの怒号は、家族に見放された可哀想なおじさんの、精一杯の足掻きだったんだ」

店員に対しては王様気取りでも、家では誰にも相手にされない完全な「下僕」状態。

その寂しさと鬱憤を、立場の弱い店員にぶつけて発散していただけだったのです。

そう気づいた途端、今まであんなに腹が立っていたのが嘘のように消え去りました。

バックヤードに戻ってから、思わずこみ上げる笑い。

「なんだ、ただの寂しがり屋の人だったのか」

それ以来、私の接客スタイルは激変。

もしまた当たりの強いお客様に出会っても、イライラすることはもうありません。心の中で、こう呟いて終了です。

『あ、この人もきっと、家では誰にも相手にされない可哀想な人なんだな。しょうがない、私が優しく聞いてあげよう』

一歩引いて「哀れみの目」で見ることで、理不尽なイライラを華麗にスルー。

あのお客様と奥様の冷え切った関係が、まさか私に最強の「スルースキル」と心の余裕をくれるとは。

人生、何が勉強になるかわからないものです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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