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「効率悪くない?」と言うタイパ至上主義の彼。だが、自宅で映画を一緒に見て、別れを決意【短編小説】
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「効率悪くない?」と言うタイパ至上主義の彼。だが、自宅で映画を一緒に見て、別れを決意【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
タイパ重視の彼
付き合っていた彼は、三度の飯より「効率」が大好きな、重度のタイパ至上主義者でした。
「それ、効率悪くない?」が口癖で、私ののんびりした性格さえも「改善すべきバグ」のように扱う人でした。
最初は彼のテキパキしたところを頼りがいがあると思っていた私も、次第に彼と一緒にいる時間に、秒単位で管理されるような息苦しさを感じるようになっていました。
「究極の時短」を提案
そして事件は久しぶりのお家デートで起きたのです。
私が楽しみにしていた映画を一緒に見る流れになり、再生ボタンを押した瞬間の事です。
彼は迷わず再生速度を「2.0倍」に変更したのです。
「え、早すぎない?声も聞き取りづらいよ」と抗議する私に、彼は呆れた顔で言いました。
「2時間もただ画面を見てるの無駄でしょ。倍速なら1時間で内容把握できるし、浮いた時間で別のタスクができるよ」
百歩譲って倍速は許しました。
しかし、物語が佳境に入り、主人公が涙を堪えて沈黙する美しい「静寂」のシーンで、彼はあろうことか早送りボタンを押し始めたのです。
「さっきからセリフないし、時間の無駄だから飛ばすね」
カチカチという無機質な音を聞いた瞬間、私の中で恋心が一気に冷え切りました。
私は彼の手からリモコンを奪い取ると、テレビの電源を消しました。
「何すんだよ」と怒る彼に、私は満面の笑みで告げました。
「ねえ、究極の時短テクニック、教えてあげる」
彼は怪訝そうな顔をしています。
「私と別れるのが、一番のタイムパフォーマンスだよ。今後一切、私に時間を使わなくて済むんだから最高でしょ?」
「は?」と固まる彼を玄関から追い出し、鍵をかけた瞬間のあの爽快感は忘れられません。
その後、一人で標準速度で見直した映画は、涙が出るほど素敵でした。
効率ばかりを追い求めて、人生の大切な彩りまでスキップしてしまわなくて、本当によかったです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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