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「別に問題ないでしょ?」セルフレジの支払いで小銭を全部入れる男→思わぬトラブルで表情が一変【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
レジで起きた事件
仕事帰りの夕暮れ時、私は彼と一緒に近所のスーパーへ買い物に出かけました。
カゴいっぱいに詰め込んだ食材を手に、いつものように並んでセルフレジへと向かいます。
事件が起きたのは、支払いの瞬間でした。
財布の小銭入れがパンパンに膨らんでいることに気づいた彼は、「これ、全部出しちゃおうぜ。財布が軽くなるし」と笑いながら、投入口に手をかけました。
1円玉から500円玉まで、数十枚はあろうかという大量の硬貨を、ジャラジャラと一気に入れ始めたのです。
「ちょっと、そんなに入れすぎると良くないんじゃない?」
思わず私が声をかけると、彼は
「別に問題ないでしょ。数えるのは機械なんだからさ。むしろ正確でいいじゃん」と余裕の表情。私の心配をよそに、最後の一枚まで流し込むように押し込んでしまいました。
すると、軽快だった機械の音が突然止まり、画面に大きく『係員をお呼びください』という文字が表示されました。
故障かと思いきや、駆けつけた店員さんが画面を確認して困ったように言いました。
「お客様、実はですね…硬貨にも上限があって、これだけ一気に入れるといっぱいになってしまうんです。一度取り出す作業が必要になりますね」
実は、セルフレジには一度に受け入れられる硬貨の枚数に上限があり、それを超えると「満杯」の状態になってしまうのだそうです。
故障ではないものの、店員さんが専用の鍵でレジの扉を大きく開け、中のコインを回収してリセットする「排出作業」が始まってしまいました。
突き刺さる周囲の視線
作業が進む間、そのレジは完全にストップ。
夕方の混雑時ということもあり、私たちの背後にはあっという間に会計を待つ人々の長い列ができてしまいました。
「何事かしら?」 「急いでいるのに……」 周囲から飛んでくる冷ややかな視線とひそひそ話。
さっきまで「効率的だ」と豪語していた彼の顔は、みるみるうちに真っ赤になり、ついには申し訳なさそうに床を見つめて固まってしまいました。
ようやく作業が終わり、会計が済んだのは10分以上経った後のこと。
「……ごめん。次は、少しずつ入れるよ」 消え入りそうな声で呟く彼を見て、便利さと自分勝手は紙一重なのだと痛感しました。
機械にも「限界」がある。そんな当たり前のことを学んだ、苦い買い物となりました。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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