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「残業代が欲しい時はダラダラ働くんだよ」アドバイスする先輩。後日、先輩が定時で帰った理由【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
先輩のアドバイス?
「残業代が欲しい時はダラダラ働くんだよ。君ももう少し要領よくやりなよ」
入社して間もない私に、教育係の先輩は勝ち誇ったような顔でそう囁きました。
先輩はいつも、日中はスマホをいじったりお喋りをしたりして過ごし、定時を過ぎてからようやく本腰を入れるフリをします。
そうして深夜まで会社に残り、毎月たっぷりとはりついた残業代を手にしているようでした。
私はそのやり方に強い違和感を覚え、周囲がどれだけダラダラしていても、自分だけは集中して定時までに仕事を終わらせるように努めました。
先輩からは「真面目だね。損してるよ」と鼻で笑われましたが、私は自分のスタイルを貫きました。
残業終了
しかし、そんな日々はある日突然、終わりを迎えました。
会社全体の「業務効率化」を徹底するために、外部の専門家による調査が入ったのです。
調査チームは、全社員のパソコンの操作ログと、その時間内に仕上げられた成果物の量を徹底的に照らし合わせました。
すると、日中にほとんど作業をせず、夜間にだけ不自然に時間をかけている先輩のデータが「不適切な残業」の疑いありとして、真っ先に浮き彫りになったのです。
数日後、先輩は顔を真っ青にして会議室から戻ってきました。
何があったのか尋ねると、震える声でこう言いました。
「今までの残業、中身がないって指摘されて……今後、仕事の遅さを理由にした残業は一切認めないって言われちゃった。それどころか、あまりに効率が悪いからって、来月から給料の評価も下げられることになったよ……」
さらに会社は、残業を完全許可制にしました。先輩は「仕事が遅い」と正式に認定されてしまったため、残業の申請を出しても「時間内に終わるはずの量だ」と却下されるようになったのです。
あんなに残業代を自慢していた先輩が、今では毎日、定時と同時に逃げるように会社を去っていきます。
それは心境の変化ではなく、単に「居座ることを許されなくなった」からでした。
一方で、時間内に高い成果を出していた私は「最も効率的な働き方をしている」と高く評価され、臨時のボーナスが支給されることになりました。
夕暮れ時、肩を落として帰る先輩の背中を見送りながら、私は自分の正しさを確信し、今日も晴れやかな気分で定時のチャイムを聞いています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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