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「正月、お前の実家には正直行きたくない」と妻に送るはずだったが、家族LINEに誤爆した結果【短編小説】

正月お前の実家には正直行きたくないと妻に送るはずだったが家族LINEに誤爆した結果短編小説

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

家族LINEに投下されたのは

12月末、世間が慌ただしくなる頃、我が家のLINEグループも例外ではありませんでした。
私の両親、兄夫婦、そして私たち夫婦が入っているそのグループでは、毎年恒例であるお正月の集まりの相談で持ちきりでした。

「カニを用意しておくね」という母の弾んだメッセージに、私は「楽しみにしてるね」と返信しました。
家族の仲が良く、帰省を楽しみにしている空気感。
そこに、冷や水を浴びせるような一通のメッセージが届いたのです。

「正月、お前の実家には正直行きたくない。気を使うし、家でゆっくりしたいんだわ」

送り主は、私の夫。心臓が止まるかと思いました。
それは私個人宛に送るはずの、夫のあまりにもストレートな本音でした。
しかし、投稿された場所は、私の父も母も、兄夫婦も見ているグループLINEだったのです。

スマホを持つ手が震えました。
画面には非情にも「既読」の数字がみるみる増えていきます。
数秒の沈黙の後、夫が慌ててメッセージを取り消しましたが、時すでに遅し。一番の既読魔である私の父から、一言だけ返信が来ました。

「そうか。なら無理に来なくていいぞ。家でゆっくり休みなさい」

その文字から漂う静かな怒りと悲しみに、私は血の気が引く思いでした。隣の部屋からは「あ、終わった……」という夫の絶望した声が聞こえてきます。

理由を聞くと…

結局、その夜は夫婦で話し合いという名の大喧嘩になりました。
でも、よくよく話を聞いてみると、夫は仕事の大きなプロジェクトが佳境で、年末年始くらいは泥のように眠りたかったのだそうです。
私は夫の疲れに気づけず、自分の実家の行事を優先させようとしていたことを反省しました。

翌日、夫は父に電話をして、正直な気持ちと失礼な言い方をしたことを心から謝罪しました。
父は意外にも「正直でよろしい。でも、次は送り先をよく確認しろよ」と笑って許してくれました。

今年の正月は、結局夫の希望を汲んで、一泊の予定を日帰りに変更。
結果として、お互いに無理のない、穏やかな年始を過ごすことができました。
LINEの誤爆は恐ろしいものですが、それがきっかけで夫婦の本音や、親との距離感を見直せたのは、ある意味で「怪我の功名」だったのかもしれません。

でも皆さん、送信ボタンを押す前の確認だけは、絶対に忘れないでくださいね。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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